2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】コロナ対応、「築き上げたネットワークが花開く」=黒岩祐治・神奈川県知事 2021/11/02 08:30

黒岩祐治・神奈川県知事

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の横浜来港により、全国に先駆けて新型コロナウイルス対応が始まった神奈川県。外部の専門家が活躍し、数多くの神奈川発のコロナ対応策が全国に広がった。黒岩祐治知事(くろいわ・ゆうじ=67)は「就任から10年間で築き上げてきたいろいろなネットワークが、突然のコロナ禍で一気に花開いた」と感慨深げだ。

 キーパーソンとなった災害医療専門家である藤沢市民病院の阿南英明副院長と、NPO法人代表でIT専門家の畑中洋亮氏を医療危機対策統括官に、LINEの江口清貴執行役員を情報統括責任者(CIO)兼データ統括責任者(CDO)に抜てき。3人ともに県庁職員ではなかったが、「県庁の中に飛び込んできて、県庁職員と一体となって対応してくれた」と感謝する。うまく機能した背景には「民間企業や外部人材と一緒になって動くことが自然な環境になっていた」ことがあると分析する。

 クルーズ船対応に当たった災害派遣医療チーム(DMAT)の意見を踏まえ、コロナ患者を重症、中等症、無症状・軽症と3層に分類した「医療提供体制の神奈川モデル」の構築は阿南氏が主導。感染症法上は入院対象だった無症状・軽症者が宿泊施設や自宅で療養できるように厚生労働省に働き掛けた。「全員入院させていたら初日でベッドがいっぱいとなり、医療崩壊していた」と振り返る。

 この取り組みを皮切りに、コロナ対応へのLINE活用や感染防止対策取組書の導入、緊急酸素投与センターの開設、「マスク飲食実施店」の認証制度開始など、「40くらいの『神奈川モデル』はこうした人脈が生きて次々と打ち出すことができた」と強調。「神奈川でまず実験的にやってみて、それを国が吸い上げて全国に横展開するという流れができた」と誇らしく感じている。

 県衛生研究所が理化学研究所と共同開発したコロナウイルスを30分程度で検出できる機器も、外部活用の成果の一つ。アタッシェケース二つほどの大きさが、「1年後にスマートフォンの大きさになり、ぺろっとなめて差し込むだけで、臨床検査技師がいなくても使える」と喜ぶ。

 〔横顔〕人生100年時代では「何歳からでも新しいことが始められる」というのが持論。コロナ禍で時間を持てあます中で、始めたのがベトナム語習得だ。ベトナム国営放送局のインタビューに、「ベトナム語で答え、初めてお披露目した」。

 〔県の自慢〕横浜のような大都市がある一方で、日本有数の温泉地の箱根、古都鎌倉、湘南の海など、「日本の魅力が凝縮している」。東京に近いワーケーションの最適地としても売り込みを図る。

(了)

(2021年11月2日iJAMP配信)

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