2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】対話重ね、思い一つに町づくり=佐々木基裕・北海道本別町長 2021/11/08 08:30

佐々木基裕・北海道本別町長

 「従来の考え方にとらわれず、若い世代の声を取り入れ、新たな視点、発想を町づくりに生かしていく」。こう語るのは北海道本別町の佐々木基裕町長(ささき・もとひろ=62)。町教育長から8月末の町長選に出馬、新人による三つどもえの戦いを124票差の接戦で制した。

 高校卒業後、1978年に町役場入り。総務、農林も経験したが、ほとんど教育畑一筋で2018年教育長に。「常に公平公正な判断と運営が求められた。それは町づくりでも何ら変わらない。対話を重ねながら、思いを一つにしていきたい」。就任後は町政懇談会を定期的に開くことを表明。業種、地域を問わず、町民から直接意見を聞く場に積極的に出向くという。

 基幹産業である農業の発展を重要課題と捉える。「農業をしっかり発展させながら、第2、第3次産業につなげて、地域経済を発展させていかなければ」。6期24年務めた前町長は地元農協との連携がうまくいかなかったとされる。対話を重視する新町長の姿勢がこの面でも期待されている。

 自身も農家の長男。思い入れは強く、農業をめぐる最近の流れに警鐘も。「スマート農業の推進が主体になっているが、その一方で農村コミュニティーが崩壊する恐れがある」と指摘。大規模農家ばかりになると、農村の人口が減り、地域社会が成り立たなくなるとみている。これを防ぐため、「多種多様な農業形態を点在させて、農家人口の増加を目指す」とし、新たな作物の提案や移住して就農する人に積極的に補助するという。

 周辺の町村に比べても少子高齢化による人口減少が深刻で、農業だけでなく、若い世代の雇用の場拡大が急がれる。当選直後には、北海道糖業(札幌市)が本別製糖所の撤退を発表。ダメージは大きいが、新たな企業誘致に意欲を見せる。「道東道のインターチェンジがあり、将来は地の利を生かした物流拠点になる。今から情報を収集し、企業にアピールしていきたい」。

 さて、職員に対しては「やらされている感がある」とやや厳しい見方。「自らアイデアを提言し、積極的に町づくりにチャレンジしてほしい」と呼び掛ける。今後は「行政の見える化」を進めるといい、町民と対話を続け、施策の進捗(しんちょく)状況や結果の評価を公表していく。「誰しもうまくいかなかったことは言いたくないのが心情。落ち込むこともあるだろうが、きっとその何倍もやる気が出るはず」と笑う。

 〔横顔〕隣接する足寄町出身、妻と1男2女。趣味は家庭菜園とガーデニングで、土いじりでストレスを発散する。

 〔町の自慢〕良質な豆類生産地として知られ、「日本一の豆のまち」を掲げる。納豆やみそ、菓子などの製造、販売も盛ん。

(了)

(2021年11月8日iJAMP配信)

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