2022/令和4年
930日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「再生可能エネルギーのまち」目指す=高村謙二・静岡県裾野市長 2021/11/11 08:30

高村謙二・静岡県裾野市長

 静岡県東部で富士山のふもとに位置し、四季のうつろいに応じた山の眺めを楽しめる裾野市。高村謙二市長(たかむら・けんじ=57)は2050年までに温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す「カーボンニュートラルシティ宣言」を10月に行った。市内ではトヨタ自動車子会社が自動運転などを可能にする近未来型都市「ウーブン・シティ」の造成を進めており、連携して「再生可能エネルギーのまち」を目指す方針だ。

 市長は「ウーブン・シティのメインのエネルギーは水素になる。環境に優しいまちづくりに向け、力を合わせて挑戦しなければならない」と話す。市は面積の6割以上が森林で「二酸化炭素(CO2)の吸収の役割は大きい」という。また、芦ノ湖の水を使った水力発電で、約1万世帯分の発電量があるため「水力発電のまちだとPRしたい」と意気込む。

 また、市はウーブン・シティとの接点に位置するJR岩波駅周辺で、自動運転で走行できる道路や、交流拠点の整備など再開発を進める計画で、「ウーブン・シティと行ったり来たりすることを大切にしたい。未来技術に関しては、頂くものがあるだろうし、逆に田園風景やおいしい農産物などは市が提供する」と協力関係の構築を目指す。

 人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)などで行政課題を解決する取り組みも推進。耕作放棄地を衛星データで自動判定する実証実験を開始し、リスクの高い場所を絞り込んで、農地パトロールの負担軽減などにつなげている。また、ドローンの安全な飛行に必要な3Dマップを作成しており、災害時にはAIの解析により、要救助者の発見もできるという。市長は「ドローンで薬品などの宅配もできるようにしていきたい」と将来を展望。避難所の混雑状況の可視化や税金のキャッシュレスも進める考えだ。

 市長はウーブン・シティへの関心の高まりを受けて「市民のわくわく感やシビックプライドが向上した。人口減少社会の中で、裾野には人が集まってくるかもしれない」と期待を寄せる。一方で「変わっていい部分と変わらない方がいい部分がある。自然環境、アナログ的な人情や人付き合いは守っていきたい」と語った。

 〔横顔〕保育園での保護者活動や小学校のPTA会長の経験で「社会教育に目覚めた」ことから、政治の道へ。市議を経て14年に市長に初当選し、現在2期目。息抜きは「孫に遊んでもらうこと」と笑う。

 〔市の自慢〕栄養価の高いスーパーフードで南米原産の雑穀「キヌア」の特産化に取り組んでいる。美容と健康に良いという。また、実業団や大学関係者から富士山麓で「準高地トレーニングのできるまち」としても注目されている。

(了)

(2021年11月11日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事