2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】「再エネ」で市の魅力向上=遠藤譲一・岩手県久慈市長 2021/11/10 08:30

遠藤譲一・岩手県久慈市長

 岩手県沿岸部、NHKドラマ「あまちゃん」の舞台として一躍全国に名を知られるようになった久慈市。高齢化や人口減少などの課題を抱えながら、「ゼロカーボン、再エネ、クリーンエネルギー」をキーワードにしたまちづくりに挑む。遠藤譲一市長(えんどう・じょうじ=67)は「地球環境を守る活動に参加しながら、個々の地域の経済活動の活性化につながればという思いで取り組んでいる」と話す。

 2030年に同市沖で60基の洋上風力発電の運用を開始することを目指し、環境省の委託を受けて調査を進める。市内には市も出資する電力の小売会社「久慈地域エネルギー」があり、「地元の電気を地元で作って供給し、エネルギー代が市外に出て行かないシステム」を目指す。また、既に横浜市と電力供給に関する協定を締結。再生可能エネルギーを作ることが難しい自治体へ、作ることのできる場所から供給する計画だ。

 積水化学工業が取り組む、ごみをエタノールに変換させるごみ処理場の実証プラントも来春、市内に完成予定。研究者が移住してくるほか、視察で人の流れが生まれる見込みだ。

 「地元で作った電気で回せるまちにして、市民の負担を減らしたい」という思いに加え、将来的には使用電力を100%再エネで賄うことを目指す「RE100」参加企業の誘致を目標とする。「ここで仕事をして家庭を持って子育てをしてもらうためには、収入、所得の向上を図ることが絶対に必要」と話し、「今は大きな産業と言えるものがない。大手の工場などができて、首都圏に行かなくても、収入が得られる、久慈に行って働こうと思ってもらえる場所になれば」と期待を込める。「よそ者、若者、絶対必要。居るだけで刺激になる」と話し、「再エネの街」としてのアピールと、企業誘致による所得向上で、市の魅力アップを狙う。

 「話しやすい、相談しやすい市長になろう」と、毎朝歩いて出勤し、まちの人とあいさつを交わすほか、自身のインターネット交流サイト(SNS)で直接質問に答えることも。「住みやすい街をつくるには、住民との連携と協力が欠かせない」と積極的に意見交換の場を設け、就任時から一貫して「住民参加のまちづくり」を目指す。

 人口減少に対する危機感は強く、「動きのあるまちにしたい。手当たり次第やらなくちゃ」と、映画やドラマのロケ誘致にも積極的に取り組む。就任から7年半、「大きな事業や夢のある事業、みんなで楽しみながら、アイデアを出し合いながらやっていきたい」と改めて意気込んだ。

 〔横顔〕久慈市出身。県庁勤務を経て2014年市長に就任。合唱が趣味で、夫人と共に市の混声合唱団に参加するのが楽しみ。

 〔市の自慢〕海があり、比較的穏やかな気候。琥珀(こはく)や恐竜の化石の出土、東北唯一の闘牛大会も。

(了)

(2021年11月10日iJAMP配信)

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