2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】地方のデジタル化「地道な支援」=池田宜永・宮崎県都城市長 2021/11/15 08:30

池田宜永・宮崎県都城市長

 宮崎県の南西部に位置し、南九州の拠点都市である都城市。3期目の池田宜永市長(いけだ・たかひさ=50)は、9月に国が設置したデジタル庁の有識者会議「デジタル社会構想会議」のメンバーとなった。地方でのデジタル化推進に向けて、「市町村単位の地道な支援活動が『誰一人取り残さない』デジタル化の実現に直結する」と力を込める。

 昨年のデジタル庁創設に向けたワーキンググループの段階から、参画してきた。「地方の代表という立場からも意見を述べていきたい」思いで、今年9月に開催されたデジタル社会構想会議の第1回では「行政手続きを意識しない社会」「地方が輝き続ける社会」の二つを提言。デジタルの導入で距離の制約を取り払い、地方にいながらさまざまな仕事などができる環境や仕組みの構築を目指す。

 市は、高齢者らデジタル弱者への支援活動も積極的に行い、スマートフォンの活用講座なども実施。10月には都城商業高校と「デジタル関連事業に係る連携協定」を結び、地域デジタル人材の育成も図る。「国や都道府県単位では難しい、デジタル弱者の高齢者などを直接支援していくような地道な取り組みを市町村単位で行っていくことが重要になる」と強調する。

 マイナンバーカードの導入にも力を入れる。行政のデジタル化を進める上でベースになると考え、就任当初からマイナンバーの取得を強く推奨してきたという。発行を希望する人にタブレット端末を利用して顔写真を撮影し、市民の申請をサポート。申請希望者の元へ職員が直接出向く「都城方式」の成果もあり、11月1日現在の交付率は67.5%と、全国の市・特別区で3位の高さを誇る。8月には申請補助用自動車「マイナちゃんカー」の運用を開始。1人単位でも、その場で申請を受け付ける。

 市は2020年度のふるさと納税受け入れ額が135億2500万円と、日本一となった。ふるさと納税で市をPRするため、14年に返礼品を一新。牛や豚、鶏肉、焼酎を前面に押し出すなど、継続して力を入れてきた。地元の事業者約130社の振興協議会と市が連携し、官民一体で取り組む。「市の収入が増えるのも当然あるが、地域経済の活性化、対外的PR、そして職員の意識改革と、ふるさと納税は『一石四鳥』」。行政は結果が見えにくい仕事が多い中、数値として明確になることで、職員の意識改革にもつながっていると説く。

 〔横顔〕都城市出身。94年大蔵省(現財務省)に入り、07年に同市副市長を経験。趣味はテニスやカラオケだが、新型コロナウイルスの影響で最近はできず。座右の銘は「本気で挑戦」。

 〔市の自慢〕自然豊かで、食べ物もおいしく物価も安い。農業や畜産のイメージが強いが、県内で一番工業生産額が高く「産業のバランスが良い」。

(了)

(2021年11月15日iJAMP配信)

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