2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】民間活用で「選ばれるまち」へ=山田裕一・宮城県白石市長 2021/11/17 08:30

山田裕一・宮城県白石市長

 全国で人口減少が大きな問題となる中、宮城県白石市では、子育て支援を売りに、民間のノウハウを活用した「選ばれるまち」を目指している。山田裕一市長(やまだ・ゆういち=46)は、今後の行政運営について「民間の皆さんの高い知識、豊富なノウハウを最大限行政に取り入れ、行政を前に進めることが市民の福祉を向上させる」と語る。

 民間活用の成功例の一つが、同市の屋内型遊び場の「こじゅうろうキッズランド」だ。2013年に子育て世代を対象に行ったアンケートで「子どもが室内で遊べる施設」を求める声が上がり、18年に開設。仙台市や福島県、山形県など市外からも来場者が訪れ、11月6日には来場者数が20万人を超えた。「『子育てするなら白石でしたいね』と思われるような選ばれるまちにしたい」と語る。

 施設の売りは指定管理者である「NPO法人みやぎ・せんだい子どもの丘」の運営で実現した、絵本コーナーと特色あるイベントだ。絵本専門店「メリーゴーランド四日市」監修による絵本コーナーは、子どもを連れてきた親世代も読み込んでしまうような絵本がずらりと並ぶ。

 毎月異なるイベントも好評だ。これまでに、「日本で5本の指に入る絵本作家」を招き、子どもたちと一緒に壁に絵を描く「ライブペインティング」などを開催。「市が運営していたら、短期間で20万人の方に来場してもらうことはできなかった。行政は建物は造れても、運営することは苦手だ」と認める。

 特色ある運営を可能にする民間活用を推進する一方で、民営化をめぐり課題となっているのが、同市の刈田総合病院だ。市と同県蔵王町、七ケ宿町との1市2町の管理組合で運営しているが、毎年人件費で約30億円の赤字を計上し、建設債や金融機関などからの借入金を含めた負債は約90億円に上る。

 市は病院を公設民営化し、経営の立て直しを目指す。「病院をしっかりと改革して病院自らが収益を上げる努力をしていかないといけない」と語る。既に23年3月末での組合解散は決まったが、負債返済の分担については議論が続く。「医療を充実させることが重要。何としても公設民営を実現していきたい」と意気込む。

 市長として仕事する上で大切にしているのは「温故知新」と「初志貫徹」だ。「市政課題を先送りにしても何の解決にもならない。次の世代にバトンを渡す上で市政課題から逃げずにチャレンジをしていかないといけない」と力を込める。

 〔横顔〕白石市議を経て、市長に。20年10月再選し、現在2期目。趣味は将棋とソフトテニスで、最近は映画鑑賞や妻とともに行う散歩で余暇を過ごすという。

 〔町の自慢〕全国に五つしかない木造に造られた白石城が市のシンボル。歴史文化あふれるまちだが、白石城でのキャンプ「城キャン」や道の駅の建設計画など新たな観光事業にも取り組んでいる。

(了)

(2021年11月17日iJAMP配信)

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