2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】「SDGs」さらに磨き、町の価値高く=北海道上士幌町・竹中貢町長 2021/11/18 08:30

北海道上士幌町・竹中貢町長

 北海道十勝地方の北部、大雪山国立公園の東に位置する上士幌町。SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みで知られ、2020年には内閣の推進本部主催の第4回ジャパンSDGsアワードで、最高賞に次ぐ官房長官賞に輝いた。バイオガス発電やふるさと納税による子育て環境の整備などが評価された結果で、竹中貢町長(たけなか・みつぎ=73)は「大きな財産になった。いろいろな企業も関心を持つようになり、もっと磨いて町の価値を高めていきたい」と話す。

 21年3月に6選を果たし、町長として21年目。「福祉、経済、エネルギーなどいろいろな課題に取り組んだところ、SDGsの17の目標に合致していることが分かった。経済も回る仕組みが立ち上がり、手厚い教育支援もできている。高いレベルに達していると思い、さらに力を入れた」と振り返る。

 町の人口は20年度の国勢調査で65年ぶりに増加。移住による社会増は19年度までの5年間で244人となり、20~40代が7割を超える。高齢者率の増加にも歯止めがかかり、「奇跡のまち」と呼ばれることも。

 北海道移住を夢見る人は多いが、なかなか定住には至らず、「道のりは簡単ではなかった」と言う。夏だけの体験、地域との交流、今度は冬、不便な点の確認、さらに長期の居住―など段階を踏んで町を知ってもらった。「寛大な気持ちで段階ごとに丁寧に対応することが重要。手間をかけないと定住に結び付かない」。

 ふるさと納税額で、町は12年度から地域トップを続ける。これが子育て、教育支援の財源となっており、認定こども園や高校生までの医療費を無料化。情報通信技術(ICT)を活用した学習も推進する。「寄付者には、何に使って町がどう変わったかを逐一報告している。返礼品の魅力ではなく、町づくりを応援してくれる人が核だと思う」とみる。

 先進的な取り組みは他にもさまざまだ。再生可能エネルギーで電気自動車を走らせ、交通弱者対策としてドローンによる商品配送。交通手段の検索、予約、決済をスマートフォンなどで一括する仕組みも導入している。町は21年度、内閣府に「SDGs未来都市」と「自治体モデル事業」に選ばれた。6月には推進本部を立ち上げ、取り組みに応じたプロジェクトチームを設置。SDGsの理解促進や発信力強化も図る。

 認知度が上がるにつれ、職員の意識も変わったといい、「目に見えて積極的になった。一番に取り組まねば、という雰囲気が出来上がってきた」と頼もしげだ。

 〔横顔〕趣味は健康管理を兼ねてウオーキング。21年10月からは十勝町村会の会長も務める。

 〔町の自慢〕東大雪の大自然。ぬかびら温泉郷、タウシュベツ川橋梁など観光地も。

(了)

(2021年11月18日iJAMP配信)

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