2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】人を照らす「月の都」へ=小川修一・長野県千曲市長 2021/11/26 08:30

小川修一・長野県千曲市長

 姨捨山のふもとの棚田に映る月影「田毎の月(たごとのつき)」で日本遺産に認定された長野県千曲市。初当選から1年を迎えた小川修一市長(おがわ・しゅういち=54)は「やさしく照らす月明かりのように、人を照らす」まちづくりを目指す。最優先課題は将来を担う人材の育成だ。

 市政運営の指針となる新たな千曲市総合計画(5年間)を今年度中に策定する。キャッチコピーは日本遺産になぞらえて「人を照らす、人を育む、人がつながる月の都」だ。

 千曲市の人口は2000年(6万4549人)をピークに減少に転じ、2050年には4万人余りになると推計されている。転入から転出を引いた社会動態は100人程度のプラスだが、15~29歳の層で転出超過が続く。他の自治体と同様、「市外や県外に進学して戻って来ない」悩みを抱える。

 「シビックプライド(都市に対する市民の誇り)を持ってもらい、卒業後に戻ってきてもらってこちらで暮らしたいと思えるようなまちにしたい」。そのためには「働く場所と機会」が必要だ。

 雇用を生み出す企業誘致に力を入れる。市内を千曲川が流れており、取水に都合が良く、食品加工業が多い。今年10月には、東証1部上場の新光電気工業(長野市)が半導体パッケージの新工場建設を決めた。25年度までに計1400億円もの大規模投資を行う。企業のワーケーションも積極的に誘致している。

 起業・創業支援にも意欲を示す。「若い人はアイデアでチャレンジしている」として、「いろいろな希望に応えられる多様性ある受け皿を作りたい」。小さなお店をやりたいといった女性の起業・創業の後押しも考えている。環境省OBで元長野県副知事の中島恵理氏(富士見町在住)をアドバイザーに任命して、さまざまな助言を受けている。

 20年の市長選では当時の現職を破って当選した。就任直後は選挙戦のしこりが残り、副市長人事が否決されるなど、市議会との関係がぎくしゃくした。各会派の議員と個別に話すことで、「(関係は)修復できた。当時と今は違う」と話す。

 公約で掲げた「市政の転換」には議会の協力が不可欠。移住・定住推進の新部署設置も検討中だ。「若い人が魅力を感じるまちづくり」はこれから本番を迎える。

 〔横顔〕趣味は映画鑑賞で、お気に入りは「007」シリーズ。柔道3段。座右の銘は「勇往邁進」。妻と2人暮らし。

 〔市の自慢〕戸倉上山田温泉、あんずの里。森将軍塚古墳は東日本最大級の前方後円墳。Bリーグ「信州ブレイブウォリアーズ」は長野、千曲両市のダブルホームタウン。「太陽と大地の聖地」として日本遺産認定を受けた上田市とは「太陽と月」でタッグを組む。

(了)

(2021年11月26日iJAMP配信)

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