2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】人が人を呼ぶ「エコシステム」構築=宮元陸・石川県加賀市長 2021/11/30 08:30

宮元陸・石川県加賀市長

 全国に先駆けて、デジタルなど先端技術を活用した施策を次々と打ち出している石川県加賀市。9月に無投票で3選を果たした宮元陸市長(みやもと・りく=65)は「企業が企業を呼び、人が人を呼ぶエコシステム(生態系)をつくり上げないといけない。それが究極の目標だ」と先を見据える。

 デジタル政策に力を入れるきっかけは、2014年に民間研究機関から「消滅可能性都市」に分類されたこと。産業が集積すれば人口減少への対策にもつながると考え、「デジタルインフラの基盤づくり」を進めてきた。

 人口減に歯止めがかかるといった「成果は全く出ていない」としつつも、着実に基盤は整いつつある。マイナンバーカードの交付率は9月時点で69.3%と全国の市区で首位。経済対策として、カードの保有者や申請者に市内で使える5000円分の商品券を配布したことが交付率を大きく伸ばした。市では現在、172の行政手続きがカードを使って電子申請できる。

 担当窓口業務の改善や交付申請促進の取り組みなどが評価され、市は21年の「デジタル社会推進賞大臣賞」を受賞した。国はカードを健康保険証として利用できる仕組みを本格的に始めたが、「決済手段としてひも付け、民間サービスとつながらないとこれ以上増えない」と訴える。

 このほか、市は北陸新幹線の県内全線開業を24年春に控え、新幹線の停車駅となる加賀温泉駅周辺に、未来型の商業施設や住宅、教育機能を併せ持つまちづくりに取り組むプロジェクトをこのほど発表。電子商取引の普及を見越し、「根底から発想を変え、将来を先取りした持続可能なものにしたい」という。今年度内にも構想の策定を目指す考えだ。

 〔横顔〕時間を見つけてはウオーキングにいそしむ。座右の銘は「滅私奉公」だが、施策推進のスピードを大切にしていることから「倍速主義に変えようかな」とも。

 〔市の自慢〕百万石を誇った加賀藩の支藩だった「大聖寺藩十万石の歴史と文化」。山中、山代、片山津の3温泉や九谷焼などの伝統工芸も特色。

(了)

(2021年11月30日iJAMP配信)

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