2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】民間撤退も「村営バスでより便利に」=馬場希・北海道赤井川村長 2021/12/01 08:30

馬場希・北海道赤井川村長

 2022年3月末で村内を走る民間バス路線が廃止になる北海道赤井川村。馬場希村長(ばば・もとむ=60)は「今もバス会社に補助をしており、(存続には)村で直接運営することが賢明と判断した」と語り、同年4月以降は村営バスを走らせて住民ニーズに応える。

 札幌市中心部から車で約1時間半の山あいにある赤井川村。民間バスは村内唯一の公共交通機関で、隣接する余市町を結ぶ1路線が1日4往復する。ところが、バス会社側は運転手確保が困難として撤退を打診。村は交通手段の維持に、村営での存続に踏み切る。

 デマンド型なども検討したが、「村外から来る人にも(時刻通りに走る)定期バスは便利」といい、従来通りの路線バスを軸に据える。住民ニーズに沿ったダイヤ設定、運行形態の柔軟な見直しなど村営の利点を最大限生かす考えで、10~11月の実証を踏まえ運行計画を策定する。

 もともと乗客が少ないこともあり、村は年1200万~1300万円程度をバス会社に補助する。村営移行で追加支出も想定されるが、「プラスアルファ(の経費)でサービス向上につながるなら思い切ろうと腹をくくった。村でやるからには便利で使いやすくする」と前を見据える。

 マイクロバス購入費用は9月補正予算で約1200万円を計上。一方、村営バス運行を応援する仕組みも整え、500万円を目標に、ふるさと納税の仕組みを使ったクラウドファンディングで寄付を募る。返礼品には車内に飾る寄付者名入りプレートを用意し、「村を訪れ、バスに乗ってもらう機会になれば」と期待。赤井川ファン獲得という相乗効果を狙う。

 再生可能エネルギーの活用にも目を向ける。村内にある温泉の源泉を掘り直す機会を捉え、温泉施設や体育館の暖房などに温泉熱を活用する計画が進行中。閉鎖した鉱山に残る水路に着目し、「災害時を含め村内で利用できれば」と水力発電の実現可能性も探る。

 一方、太陽光や風力発電をはじめとした再エネ事業では業者の選択が課題とみる。発電設備の設置に関するガイドラインを策定したが、環境や景観への影響を重視し、「規制するのではなく、いい業者が入ってくるための基準が必要」と指摘。関連条例の必要性を含めて議論を進め、2年以内をめどに基準づくりを目指す考えだ。

 〔横顔〕1984年に赤井川村役場入り。産業課長や社会課長、教育長を経て、2019年の村長選で初当選。アウトドア好きで、夏は自前のカヌーで川下り、冬はスキーを楽しむ。家庭菜園にもはまり、「どんどん(農作業の)道具が増える」と苦笑いする。

 〔村の自慢〕四方を山々に囲まれたカルデラ状の地形が特徴で「はっきりとした四季を味わえるのが魅力」という。村内の冷水峠は「秋になると雲海が見える」という絶景スポットだ。

(了)

(2021年12月1日iJAMP配信)

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