2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】離島版CCRC目指す=大久保明・鹿児島県伊仙町長 2021/12/07 08:30

大久保明・鹿児島県伊仙町長

 「在任四半世紀の集大成として、地域包括ケアシステムを力強く前に進める。地方創生のモデルと呼ばれるくらいの成果を出して次世代に未来を引き継ぎたい」。10月に鹿児島県内市町村長最多の6選を果たした伊仙町の大久保明町長(おおくぼ・あきら=67)は、老・壮・青、移住者を含む全町民が集落で互いに支え合う理想郷づくりを公約の目玉に掲げた。その柱になる離島版「生涯活躍のまち(CCRC)」に力を入れる。

 大久保氏は地域包括ケアについて、「老若男女、I・Uターン組がコミュニケーションを深め、子どもたちも加わると、誰がどういう状況かチェックできる。高齢者も元気になる」と意義を強調。「高齢者は集中してもよいが、若年層は分散させて各集落の真ん中に人を集める」として、健康増進施設「ほーらい館」を核に、サテライトオフィス誘致や町営住宅拡充に取り組む。

 徳之島徳洲会病院で外科医、院長を歴任。その経験から、CCRCに欠かせない総合診療医育成では「離島こそキャリア形成にうってつけ」と訴える。「医師は、疾患の種類を問わず聴診器を当て地域に学ぶ意味をもっと重視すべきだ。実際に、総合医として視野を広げようという価値観が芽生えつつある」と指摘。都市に偏在する医師を離島に振り向ける仕組みやNPO設立を働き掛けている。

 伊仙町は市区町村別で全国2位の出生率と長寿で知られ、「子どもを夫婦だけで育てる文化が存在しない」(大久保氏)。「元気でアクティブなうちに風光明媚(めいび)な島をついの住み家として働き暮らしてもらうため、民間主導で医療と福祉を充実させる」と意気込む。

 〔横顔〕鹿児島大医卒。「汗をかけば元気が出る」といい、島内外のトライアスロン大会を20回以上完走した。娘2人は独立し、妻と暮らす。

 〔町の自慢〕2013~17年の合計特殊出生率は2.46(全国平均1.43)で沖縄県金武町に0.01ポイント差の2位。今年3月末の人口は6468人で20年度に続き21年度も転入超過の見込み。それぞれギネスブック長寿世界一にかつて認定された故泉重千代さん(120歳)、故本郷かまとさん(116歳)を輩出した。

(了)

(2021年12月7日iJAMP配信)

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