2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】「知識の蓄積生かしたい」=太田寛・長野県安曇野市長 2021/12/06 08:30

太田寛・長野県安曇野市長

 長野県副知事を経て、今年10月に初当選した安曇野市の太田寛市長(おおた・ゆたか=65)は「これまでの知識の蓄積を生かしたい」と抱負を語る。住民が幸せを実感できるよう、豊かな自然に恵まれ、文化の薫り高いまち安曇野を独自の視点でさらに発展させていく考えだ。

 副知事時代は県内全77市町村を見て回り、先駆的な取り組みを行う全国の自治体なども訪問。こうした経験から、活気を失った地域を立て直すには「カリスマ的な人間」が必要と感じたそうで、「うかがい知れないパワーを持っている人が安曇野にもいないかと思っている」と話す。シャッターを下ろした店舗が目立つようになった市内商店街の活性化に向け、人材探しを進めつつ、「大王わさび農場」などの観光地から商店街に客を誘導する仕組みの構築を目指す。

 市長選では「文化・芸術中核都市の形成」を公約に掲げた。芸術系大学のサテライトキャンパスの設置を目指しており、毎年学生が一定期間滞在して市内で創作活動を行うなどの構想を描く。「(作品が)できたときに市民と交流したり、その後も長く関係を保ったりすることができる」。関係人口の拡大も視野に入れ、取り組みに期待する。

 市内にある数々の美術館や博物館の学芸員と市民との交流も増やしたい考え。市民のサークル活動を支援し、「小さな美術館に市民が集まる仕掛けをつくりたい」と意気込む。文化芸術振興のため、芸術家ら専門家から成る「芸術文化顧問団(仮称)」を設置して、各分野から市に助言してもらうことを検討中だ。

 2020年の市の観光地利用者数は延べ約290万人。ここ数年は約500万人で推移していたが、新型コロナウイルス感染拡大で大幅に減少した。公約では「滞在型観光の振興」も掲げる。自然豊かな観光資源を生かしたアウトドアやゴルフ、登山のほか、美術館巡りなどを楽しめることをPRし、観光客の呼び込みにつなげる。

 安曇野を舞台にしたドラマ・映画のロケの誘致や支援も充実させたい考えで、「臼井吉見の『安曇野』を大河ドラマにしたい」との構想を掲げる。

 〔横顔〕安曇野市出身。1979年県職員になり、総務部長などを経て15年に副知事。趣味は本の収集と読書。1カ月に30冊の本を購入していたが、多忙で読む時間がなく現在は「2カ月で6冊くらい」。美術館や博物館巡りも好き。座右の銘は「希望と夢を持つこと」。

 〔市の自慢〕雄大な自然と人間の営み。北アルプスの前には水面が輝く水田があり、人の営みを感じる。「こんな素晴らしいところはない」

(了)

(2021年12月6日iJAMP配信)

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