2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「いのち満たすまちづくり」目指す=土居昌弘・大分県竹田市長 2021/12/09 08:30

土居昌弘・大分県竹田市長

 江戸時代の旧岡藩の城下町が広がり、くじゅう連山、阿蘇、祖母傾山系など豊かな自然に囲まれている大分県竹田市に4月、新市長が就任した。土居昌弘市長(どい・まさひろ=52)は「受けた命をすべての人が精いっぱい使える、『いのちを満たせる』竹田市をつくりたい」との目標を示す。

 「いのちを満たせる」という言葉について、全ての市民が同じように幸せを感じられる状態を目指していると説く。一例に挙げたのが特別支援学校の子どもだ。「竹田市の成人式には特別支援学校の子たちが出席していない」と指摘。成人式は旧友と再会する場でもあるが「支援学校の子たちは地域から離れてしまっている」と話し、こうした子どもたちが地域とつながりを持てる社会が理想と力説する。

 こうした社会づくりに向け、さまざま手を打つ。まず人口減対策では、豊かな環境を生かして移住・定住の促進やワーケーションの積極的な誘致を進める予定だ。一方で「ワーケーションをして帰ってもらえれば、会社にとってはいいかもしれない。でも補助金を使って来てもらうのだから、何か竹田にも変化がないといけない」と考えを巡らせる。

 「移住支援や企業誘致など、過疎や高齢化にあらがう政策も必要だが、同時にそうした実態に合わせていく政策も必要」と説明。こうした思いから、就任間もなく、市内の小中学校の再編計画を示した。市内では教員不足で欠員や複式学級が生じている。「少なくなった人口で、高齢者も子どもも含めて、いかに豊かな暮らし、教育を提供するかが大事だ」。

 大分県は、白ネギの農業産出額100億円到達を目指しており、県内有数の産地である竹田市も、県と連携して生産規模の拡大に取り組む。一方、農家の後継者不足が課題だ。「自分自身の人件費を考えたとき、収入が手元にいくら残るか考えている農家は少ない」と指摘。情報通信技術(ICT)などの活用でもうかる農業の形へのステップアップを目指す。

 行財政改革でも「もうかる会計」を目指す。定期預金していた市の基金を、元本割れのリスクがなく利回りが比較的良い国債などで一体的に運用。経営的視点での財政運営を目指す。市の総合計画の策定にも着手。市民へのアンケート調査やワークショップなどを開催し、「背骨になるような、竹田市らしい計画をつくる」と意気込む。

 〔横顔〕前職の引退を受けて県議から転身。会社員時代は旅行会社に勤めた。能が趣味で、10月には7年ぶりに市内で公開された薪能(たきぎのう)を楽しんだ。自身も20年来、能を舞う。

 〔市の自慢〕市民がよくあいさつをしてくれること。「人と人との出会いが豊かで、みんなから褒められる。手紙をいただくこともあります」。

(了)

(2021年12月9日iJAMP配信)

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