2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】駅舎一体の市役所を拠点に=内谷重治・山形県長井市長 2021/12/21 08:30

内谷重治・山形県長井市長

 山形県の南部に位置し、かつて最上川の舟運の要所として栄えた長井市。5月にオープンした日本初の駅舎一体型の新庁舎は、コンパクトなまちづくりを目指す際に中核的な役割を担う。4期目の内谷重治市長(うちや・しげはる=65)は「地域の人口減少を食い止める」と力を込める。

 市は16年度に中心市街地活性化基本計画の認定を受け、21年度は2期目を迎えた。市が注力する背景には、「平成の30年間で約2割」という大規模な人口減少がある。「長年にわたり地元経済を支えてきた誘致企業が相次いで転出し、市内五つの商店街がシャッター街や空き地になった」と危機感を募らせる。

 そんな中、新たに整備した庁舎は、第三セクター「山形鉄道フラワー長井線」の長井駅と一体化。手厚い財政措置がある地方債などを活用した。「駅の待合室をホールのように設計し、中高生が勉強や待ち合わせに使っているほか、健康寿命を延ばす『いきいき百歳体操』が毎週開催されている」と、にぎわい創出への手応えを感じている。

 駅舎一体型の庁舎は、自治体が鉄道施設を保有し事業者が鉄道を運行する「上下分離方式」を採用しているため実現できたという。「線路は盛り土で高くなっており水害に強い。河川氾濫の際には最大で約1000人が市役所に避難できる」と防災面でのメリットも強調する。

 市はこれまでに、中心部の道路を拡幅して買い物客の周遊性を高める街路事業や、公民連携(PPP)による屋内遊戯施設・図書館を備える公共複合施設の建設に着手。市役所や銀行、病院を中心部に集約し、市内5地区をきめ細かく市民バスでつなぐコンパクトシティー型の交通ネットワークを整備する計画だ。「街中にもう一度にぎわいをつくって、子どもからお年寄りまでいろいろな楽しみ方ができる都市機能を充実させる」と意気込む。

 〔横顔〕市議を7年務めた。スポーツが好きで40代半ばまでサッカーをしていた。「現在は河川敷のフットパスを散歩することや、家族で日帰り旅行に行くことが趣味」と話す。

 〔市の自慢〕競技用けん玉の生産量が日本一。20年に条例でけん玉を「市技」と定め、東京五輪・パラリンピックではホストタウン事業で選手に好評だった。

(了)

(2021年12月21日iJAMP配信)

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