2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】温暖化に危機感=下川正剛・長野県白馬村長 2021/12/23 08:30

下川正剛・長野県白馬村長

 北アルプスに臨む長野県白馬村。書き入れ時のスキーシーズンを迎えても、2期目の下川正剛村長(しもかわ・まさたけ=75)は浮かぬ顔だ。「年々雪の量が少なくなっている。観光で生きる村にとって、雪が少ないことは危機的状況だ」と語り、地球温暖化に警鐘を鳴らす。

 気象庁のデータによると、2020寒候年(19年8月~20年7月)の降雪の合計は226センチにとどまり、過去30年で最少だった。ほぼ8~9度台だった年間平均気温は15年以降、17年を除き10度台が続く。

 白馬村は19年12月に「気候非常事態宣言」を、20年2月に50年までに二酸化炭素を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」宣言をそれぞれ出した。「次の世代に景観を残していかないといけない重大な使命がある」と話す。

 新型コロナウイルスによる観光需要の激減は「非常に厳しい」。第5波収束で年末年始の予約は「だいぶ埋まってきた」が、その先は不透明だ。インバウンド(訪日外国人旅行者)回復には「2年はかかる」とみる。「国内客を誘致するしかない」として、政府の観光支援策「Go To トラベル」の早期再開を期待する。

 広域連携にも注力する。19年に大町市、小谷村などと一般社団法人「HAKUBAVALLEY TOURISM」を設立し、長野県や観光庁からDMО(観光地域づくり法人)として認定された。

 23年前の長野冬季五輪で白馬村はジャンプ団体の会場となり、日本が逆転で金メダルを獲得して感動の舞台となった。五輪開催地としてインバウンドを呼び込んだ半面、ジャンプ台など五輪施設の収支は「厳しいと言わざるを得ない」。一般人が使う施設ではないため利用者数が限られることに加え、スキー人口の減少が響く。

 パウダースノーや山岳景観が気に入って移住する外国人が多いのも白馬の特徴だ。19年末には外国人住民が1100人を超え、人口の1割強を占めた。村は多文化共生社会推進条例を制定し、偏見や差別意識の解消に努めている。22年には、持続可能な社会を築く人材の育成を目指すインターナショナルスクールも開校する予定。「多様性あるまち」は、交流と学び合いでさらなる発展を目指す。

 〔横顔〕趣味は野球やゴルフの観戦。好きな言葉は「和を以て貴しとなす」。妻と2人暮らし。村外に息子と娘が住む。

 〔村の自慢〕紫色をした古代米「紫舞(むらさきまい)」。低農薬で栽培され、栄養価が高い。ミニトマトやブルーベリー、アスパラガスも特産品。19年には北アルプスの唐松沢雪渓が国内7番目の氷河に認定された。JR白馬駅から見える雪渓も氷河と認定される可能性がある。

(了)

(2021年12月23日iJAMP配信)

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