2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】持続可能な農業へ努力惜しまず=由井明彦・長野県川上村長 2021/12/27 08:30

由井明彦・長野県川上村長

 長野県の最東端に位置し、冷涼な気候を生かしてレタスの夏場生産量日本一を誇る川上村。2020年2月に初当選した由井明彦村長(ゆい・はるひこ=74)は、「農業立村として生きていくため、持続可能な野菜作りを目指す」と意気込む。そのために「行政も努力は惜しまない」とし、農業の労働力確保や生産性の向上などに力を入れる考えだ。

 村内の農家は約500軒。農家の担い手不足が全国的な課題となる中、村では高原野菜の生産で比較的安定した収入を確保できるため、村外に出た子どもも親元に戻ってくるケースが多い。「やはり高原野菜に魅力を感じているのではないか」と分析するが、将来を見据えると楽観はできないという。

 省力化や生産性の向上につなげようと、村は18年度からIoT(モノのインターネット)技術を活用したスマート農業の実証実験を開始。ドローンでレタスの生育状況を確認したり、畑に設置した機器で土の温度や雨量などのデータを収集して栽培に生かしたりするなどの取り組みを進める。そうしたことに若者がチャレンジできる「定住しやすい農村」を目指し、新婚世帯向け住宅を増やす計画だという。

 例年、農繁期の4~10月には約1000人の外国人技能実習生が入村する。村にとって実習生は「一番の頼り」といい、外国人が住みやすい村づくりへ21年7月には相談窓口を村役場に開設。国籍別で最も多いのはベトナムで、ベトナム語の通訳を置き、実習生が悩みや相談事を話せる環境づくりを進める。

 一方、10年に約5000人いた人口は直近では3872人にまで減少し「非常に厳しい」との見方を示す。村内に2校ある小学校を統合し、空き校舎を活用して産業を誘致する構想も掲げる。ただ、「千曲川上流の村。自然環境に合った産業でないと」と指摘し、美しい自然環境のイメージを壊さないような企業を誘致すべきだとの考えを強調した。

 また、村内の標高約1500メートルにある体育館などを備えた宿泊施設を使い、高地トレーニングの誘致にも力を入れたい考えだ。「キャッチフレーズは『奥の秘境 信州川上郷』が一番良い」と笑顔で話し、地域の活性化を図る。

 〔横顔〕趣味は庭いじり。座右の銘は「温故知新」。妻、次男と3人暮らし。隣には長男夫婦が住み、孫は3人。「にぎやか。ちょうど良い距離」と笑顔を見せる。

 〔村の自慢〕千曲川(信濃川)の源流。山梨県境にある小川山はフリークライミングの「聖地」。村出身の宇宙飛行士油井亀美也さんは名誉村民第1号。地元固有種の川上犬も有名。

(了)

(2021年12月27日iJAMP配信)

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