2022/令和4年
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コラム 【地方議員の視点2】早起きは「本当に」三文の徳 2021/12/26 14:00

甲府市議会議員 神山玄太氏

甲府市議会議員 神山玄太

 ことわざ「早起きは三文の徳」は、年代問わず多くの人に知られているでしょう。「三文」はかつての銭貨だった一文銭の3枚分で、「わずかなもの」を表しており、「朝早く起きれば、少しの良いことがある」という意味です。この文言通り、早起きして三文の徳を得たと実感したことがある方はいらっしゃるでしょうか。

◇火曜7時は早朝勉強会

 山梨県に、「得々クラブ」という県庁職員有志が中心となって立ち上げたグループがありました(解散していないはずです)。2004年ごろに活動を始め、▽メンバーが得をする(徳を積む)情報を共有する▽山梨を良くするためにできることをする▽21世紀のコア人材を育成する▽個人の課題をみんなの課題として共有し解決策を探る▽多様なネットワークを構築する▽新しい気付きを得る▽「できない理由」を言わない人間になる――の七つが設立目的です。具体的には、オフサイトミーティングや政策提言、読書会、朝の会、ワンコイン学習会などをしていました。

 私が市議会議員に初当選した11年に一つの出会いがありました。大学院進学のため東京から帰って来たある学生(当時)を共通の知人が紹介してくれたのです。この学生から「山梨で朝の会をやりたい。一緒にどうですか」と相談を受けました。そのとき、得々クラブの朝の会を思い出し、一緒に参加してみました。朝の会は月に一度(もしくは隔週?)で、開催日に会場をのぞくと参加者が2人しかいません。出席者がほとんどいないため、継続できるかどうかの瀬戸際でした。

 相談してくれた学生は、東京での学生時代に「三文会」という朝の会を喫茶店で開いており、運営ノウハウを持っています。そこで得々クラブの運営者と相談し、朝の会をリニューアルさせてもらうことにしました。最後まで参加していた2人と、この学生、私の計4人が新しい運営メンバーになりました。新しい朝の会は、得々クラブの「得々」と「三文会」から名前を取って「得々三文会」としました。

 リニューアルに当たり「視野と つな がりを少し広げてから職場へ行こう!!」をコンセプトに、朝の時間を有効活用する早朝勉強会としました。11年7月から毎週火曜日の早朝7時から開催。甲府市中心部のカフェや店舗が会場で、参加費は無料です。ただ地域の店を使うので、参加者にワンドリンクの注文をお願いしました。参加者が持ち回りで、身近な話題や地域で頑張る人・団体について発表する方針も決めました。初回は8人。このままだと2カ月に1回のペースで発表が回ってきます。そんなにネタがあるのか心配しましたが、ちょうどラッキーなことがありました。

 その頃、Facebookがインターネット交流サイト(SNS)のツールとして根付き、多くの人が始めていました。得々三文会をFacebookで周知すると、甲府市内や周辺に住む直接の知り合いではない方々の出席が急激に増え、スタートアップを支えてくれました。参加者は、会社員、自営業、公務員、団体職員、学生、退職者、主婦、中小企業経営者、弁護士、税理士など多岐にわたります。

 この会は今でも続いています。火曜であれば祝日も年末年始も関係ありません。21年12月21日現在で539回です。台風や大雪でも、時間をずらして必ず開きました。ただ、新型コロナウイルス感染症には勝てず、20年3月に1カ月にわたり初めて休みましたが、その後はオンラインで続けました。感染拡大が収まってきている現在、会場とオンラインの併用にしています。

◇地域にさまざまな効果

 まさにコンセプト通り「視野と つな がり」を広げることができる場です。さまざまな人が発表するため、新たな地域課題やその解決に取り組んでいる話を聞くことができ、それをきっかけに市議会での議論につながるケースもありました。私も運営メンバーの1人ですが、あくまでも政治活動の場ではないため、公務員の方々にも気軽に参加してもらっています。公務員の皆さんにとって地域住民との新しい交流の場にもなっています。

 交流によって、地域にさまざまな反応が起きます。地域課題を解決する場になるほか、参加者から市議会議員が誕生したり(今は私の同僚議員です)、県内の他の地域でも朝の会が設けられたりするようになりました。

 地域への経済効果も生じました。コロナ禍での休止までに449回で、毎回平均して25人ほど参加しました。ワンドリンクを注文するので、1杯500円とすると、500円×25人×449回=561万2500円です。回数を重ねるだけで、実費で560万円も地域に落としてきたわけです。会場になった店を初めて知った人が気に入り、普段も通うようになるなど波及効果も出ています。

 毎週の運営は大変だと思われるかもしれませんが、発表者の調整さえすれば、残りは会場設営だけで、手間はかかりません。地元で企画しようと思う方がいれば、会場さえ確保すればすぐに始められます。ぜひ知識でつながる地域の交流の場をつくってみてください。

 得々三文会は、会場とオンラインの併用で世界中から誰でも加われます。Facebookで「得々三文会」と検索するか、ホームページ(http://kai-mon.net/tokutoku3/)をご覧ください。皆さまの参加をお待ちしています。

 ネットで調べると、一文は現在の価値で12円ほどだそうです。三文の徳は金銭換算すれば約36円。得々三文会で毎週私もそのくらいの徳は積んでいるかもしれません。(了)

◇神山玄太(かみやま・げんた)氏のプロフィル
1982年甲府市生まれ。金沢大学法学部を卒業し、早稲田大学大学院公共経営研究科を修了。日本インターネット新聞社で記者として勤務後、甲府に戻る。2010年、国会議員政策担当秘書資格試験に合格。11年に甲府市議に初当選。12年に早稲田大学パブリックサービス研究所招聘研究員に就任。第6回マニフェスト大賞でグッド・マニフェスト優秀賞を受ける。15年の甲府市長選挙では次点で落選。甲府市議に2期目の当選後、17年9月から1年間「関東若手市議会議員の会」会長。19年4月から3期目の甲府市議。山梨英和大学で非常勤講師を務めた経験も。「ワイン県」山梨で活動する議員として21年にワインエキスパート資格も取得。

【地方議員の視点】

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