2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】分かりやすい市政へ発信重視=内田広之・福島県いわき市長 2022/01/06 08:30

内田広之・福島県いわき市長

 福島県東南端に位置するいわき市。9月に初当選した内田広之市長(うちだ・ひろゆき=49)は、市の中期的課題として教育、若者の雇用、農林水産業の担い手不足などを挙げ、「課題を市民と共有し、みんなでやっていくことが重要」と強調。そのために「分かりやすい市政を目指し、発信力を高めていきたい」と話す。

 市長選ではいち早く立候補を表明し、インターネット交流サイト(SNS)を駆使して公約を訴えた。就任後にまず、新型コロナウイルス関連の情報を中心に効果的な発信の確立に着手。「情報が伝わらなければ、やっていないのと同じになってしまう」として、「真面目で熱心」な3700人の市職員に「分かりやすい発信」を促している。

 文部科学省出身で、市長選出馬前は福島大学理事・事務局長だった。その経験から「学力日本一」を目標に掲げるが、学力だけが尺度ではないとの異論もあるという。しかし、学力調査で問われる能力は時代とともに変化しているとして、「高みを目指すことで社会に出てから生きてくる力が育つ」と主張。現在は公立中学1校をICT(情報通信技術)教育のモデル校としているが、こうした取り組みを市内全域に拡大することを視野に入れており、「文科省での人脈を生かし、最先端のICTや、人と人の触れ合いを組み合わせたような教育を実現したい」と語る。

 人口減少にどう歯止めをかけるかも難題で、市には県内の他の自治体と比べて高校卒業後に首都圏へ移る若者が多いという実情がある。「戻って働けるような雇用が必要だ」と話す内田氏が注目しているのが「国際教育研究拠点」。政府が「創造的復興の中核拠点」として位置付ける施設だ。設置予定の福島県内の東京電力福島第1原発事故の被災地域は、いわき市の通勤圏に位置することから、「地場産業と連携して新しい商品や特許を生み出せるのではないか」と期待を寄せている。特に風力発電など再生可能エネルギー分野の人材育成が「いわきのこれからの産業の核になる」とみている。

 東日本大震災と原発事故で大きな痛手を負った水産業の立て直しにも全力を挙げる。他産地との差別化やブランド力向上のための研究会を既に設置し、「新しいものや若者に合わせたもの、販路拡大を支援していく」と意気込んでいる。

 〔横顔〕小学3年で始めた剣道は4段の腕前。就任後、時間が取れずにしばらくできなかった趣味のジョギングを再開した。休日は読書に費やす時間が多く、歴史小説を好む。

 〔市の自慢〕温暖な気候で山の幸、海の幸が豊富。東日本大震災などを乗り越えてきた粘り強さや、映画「フラガール」の題材にもなったフラ文化に代表されるおおらかさなど、人の魅力。

(了)

(2022年1月6日iJAMP配信)

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