2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】公共施設の適正化を推進=吉岡初浩・愛知県高浜市長 2022/01/07 08:30

吉岡初浩・愛知県高浜市長

 市庁舎を民間から借りるなど、公共施設の適正管理を進めている愛知県高浜市。吉岡初浩市長(よしおか・はつひろ=66)は「役所の持つ建物はお金を掛けてもお金を生むことは決してない」と強調する。

 大規模な改修や修繕が必要な施設を複数抱える市にとって、「ある物を全部維持するのは到底無理」。人口が減り、今まで通りの税収も見込めない状況では、「建物の数を減らし、維持する物としない物に分けていく必要がある」というのが市の方針だ。

 2017年に供用開始した市庁舎は、民間から20年間賃借。市庁舎を「持たず」に「借りる」という珍しい形を取る。地震で庁舎が被害を受けても事業者が修理するため、市は災害対応に全力で取り組める。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、市役所に来なくても行政手続きができるようになることも期待され、「20年後の市役所の姿は、ひょっとしたら建物は要らないかも」と指摘。「使うのであれば買い取ればいい」と、将来の選択肢を残した形だ。

 老朽化が進んでいた高浜小学校は、公民館や児童センターなどと、地域拠点として一体的に整備。民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式を採用した。小学校のプールも順番に廃止し、水泳の授業の民間委託を進める。改修費が掛からない上、指導員と教員の目が届き、「安全性が高まる」利点もあるという。

 市立図書館は、既存の施設に複合化する方向だ。目指すのは本を借りに行くだけの図書館ではなく、「子どもたちが本に親しむ環境をつくり、すっと(本を)手にとってもらえるような場所」。「冊数を競っても実際どれだけ借りられているのか」と疑問を呈し、「(既存の)事業に図書館機能を付ける」と話す。

 市制50周年のテーマソングを市民主体で作るなど、市民は市政運営に積極的に関わっているが、今後特に力を入れたいのが若者の活躍の場づくりだ。10年度から始まった個人市民税の5%の使い道を市民が決定する「市民予算枠事業」を、若者がチャレンジできる仕組みへと変えていく考え。「自分事で地域のことを考え、地域で活動する人が増えていけば」と期待している。

 〔横顔〕「May I help you?(私にできることは何かありますか)」が信条。自転車で通勤し、1時間早く家を出て市内を回る。バンド活動もしており、担当はギターとボーカル。

 〔市の自慢〕地域のことを「自分事」と考えている市民が自慢。日本三大瓦の一つ「三州瓦」の生産地として有名で、人が馬にしがみついて駆け回る「おまんと祭り」は勇壮だ。

(了)

(2022年1月7日iJAMP配信)

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