2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】脱炭素へ相互協力、補完が重要=阿部守一・長野県知事 2022/01/18 08:30

阿部守一・長野県知事

 2030年度までに二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスの実質排出量を10年度比で6割削減する目標を掲げる長野県。8月31日に任期満了を迎える阿部守一知事(あべ・しゅいち=61)は「企業や学生、行政などが相互に協力、補完しながら新しい社会システムをつくることが重要だ」と強調する。

 県は脱炭素社会の実現に向けて「サステナブルNAGANO共創プラットフォーム」(仮称)を立ち上げる計画で、春までに活動拠点の開設を目指す。企業や市町村、NPO、大学、若者らが分野を超えて連携する場とし、各主体の得意分野を生かした取り組みを加速させる。

 共創の好事例として挙げたのが、県立白馬高校の生徒が始めた教室の断熱改修だ。有識者や地域の工務店など周囲の関係者を巻き込んだ活動で、「ああいう主体的な取り組みを広げることが重要だ」と強調。全県に拡大できないか検討中だという。

 全国から「移住したい県」として注目されるが、「もっと人を引きつけ、定住につなげる努力をしていかなければいけない」と指摘。より具体的な関心を持った相談者に対応するため、サポート体制の充実が必要との考えを示す。アンテナショップ「銀座NAGANO」には移住相談などに特化した新フロアが昨年オープンした。「移住希望者と県内の各地域をしっかりとつないでいきたい」と意気込む。

 新型コロナウイルス禍で「だいぶ地方に目が向いている」と見ており、収束後も「こうした流れは変わらないのでは」と推測。特色ある教育を実践する県内の学校に関心を示して移住を決めた人も増えているため、教育の充実も引き続き推し進める考えだ。

 一方、県は21年度の組織改正で部局横断的な課題への対応を強化するため、知事部局と企業局に計12人の次長を配置。週に1回は次長会議を開き、積極的な情報共有を図っている。以前は部長と課長の間のポストがなく、「違う視点で物事を見ることや、横の連携が弱かった」と振り返る。各次長については「部長を補佐する立場で活躍し、効果は上がっているのではないか」と評価している。

 次期知事選への対応については「白紙」としており、態度を明らかにしていない。「やらなきゃいけないことはたくさんあるが、任期はあと少し。できる限りのことは進めていきたい」と前を見据えた。

 〔横顔〕1984年自治省(現総務省)に入り、2010年9月、長野県知事に就任。アフターコロナの楽しみを聞くと「どこか県内の温泉にのんびり行けたら幸せ」。

 〔県の自慢〕「人と人との絆」や公民館活動の活発さに代表される「地域力の強さ」が強み。

(了)

(2022年1月18日iJAMP配信)

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