2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】コロナ後見据え、22年度は「飛躍の年」に=伊藤辰矢・愛知県常滑市長 2022/01/20 08:30

伊藤辰矢・愛知県常滑市長

 新型コロナウイルスへの対応に追われ、「我慢の年」となった2021年度。愛知県常滑市の伊藤辰矢市長(いとう・たつや=44)は「予算の新規計上を絞り、計画的なものをしっかり考える契機にした」と振り返る。コロナ後を見据えた観光戦略プランと第6次総合計画を策定。22年度は「飛躍の年」となるよう、観光客の回復などに向け力を尽くす。

 中部国際空港を有する同市。「(コロナ前は)ほっておいても観光客が訪れてくれた」。ただ、「そのせいか観光面の整備が進んでおらず、リピーターが付きにくいと感じた」と指摘。「新型コロナで観光客がゼロになったとき、ちゃんと整備するなら今だと思った」という。旅行情報誌などの手を借りて、1年かけ観光戦略プランを作り上げた。プランには地元事業者のほか、中部国際空港や国際展示場が一緒となって、地域全体で集客を目指す体制づくりを掲げた。

 市の魅力について聞いたアンケート調査の結果では、「カフェ巡り」「りんくうビーチの夕日」が上位を占めた。「われわれは1番に『常滑焼』と答えてしまうが、アンケートではそうならなかった。観光は私たちが見せたいものではなく、来た人が見たいものを軸に考えなくてはいけない」と語る。

 ただ、同時に伝統も大切にしたい考えで、「常滑焼」のアピールの機会もうかがう。「カフェで茶器を使ってもらったり、急須でお茶を飲んでもらったりすることで触れる機会の創出にもなる」と意気込んでいる。

 新型コロナで支給された国からの臨時交付金を活用し、常滑焼の購入に限定したクーポン券を発行した。「市民の皆さんに愛してもらって大応援団になってもらう必要がある」と強調。「若い市民から『初めて常滑焼を買いました』と言ってもらえた」と、手応えを感じている。「計画を実践するのは事業者の皆さん。そのサポートをしっかりしたい」と、22年度に向けた準備を着々と進めているという。

 市は、コロナ禍を契機にデジタル化の推進にも注力する。21年3月に「とこなめデジタル化推進宣言」を発表。22年度からの第6次総合計画でも重点テーマに位置付けた。職員同士が内部チャットでやりとりできるシステムを導入するなど、「できるところから進めている」という。今年1月には新庁舎での業務も開始し、マイナンバーカード手続きの窓口も用意した。「市民の手続きを簡略化するためにも、カードの所有率は上げていきたい」と話す。

 資料館やボートレース場のリニューアル、新庁舎の竣工(しゅんこう)など長期的事業も終わり、「整える1年が終わった。22年度は計画をしっかり形にしていく」と決意している。

 〔横顔〕生まれも育ちも常滑市。同市議、愛知県議を経て19年に同市長就任。コロナ禍でスパイスからカレーを作るなど手の込んだ料理に挑戦中。「コロナ禍で子どもが生まれたが、子育てに参加できるのは良かった」と話す。

 〔市の自慢〕大きな招き猫「とこにゃん」はシンボル的存在。「やきもの散歩道」で常滑焼の伝統に触れることができる一方、食事や買い物のスポットとして「りんくうエリア」もあり、新旧のコントラストを楽しめる。

(了)

(2022年1月20日iJAMP配信)

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