2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】現場ニーズ踏まえ地域に予算編成権を=中川幹太・新潟県上越市長 2022/01/25 08:30

中川幹太・新潟県上越市長

 「すべての予算を市役所本庁舎が握っている状況を変え、それぞれの地域の個性を生かしていきたい」と語るのは新潟県上越市の中川幹太市長(なかがわ・かんた=46)。昨年10月の市長選では、多くの市議が支持する前副市長との一騎打ちを草の根の運動で制し初当選。前例にとらわれない改革方針を次々と打ち出し、市政に新風を吹き込んでいる。

 市長が言う「それぞれの地域」とは、旧上越市が「平成の大合併」で編入した旧13町村(今の13区)のことだ。「雪が降る所と降らない所、農業をしている所してない所、気候も文化も違う。自分たちの区の問題に向き合い、こういう事業をやりたいという考えを大切したい」と強調する。

 もう一つの目玉公約が「人事改革」。「今の職員は専門性がちょっと緩いが、30代ぐらいから本人が求める分野の中で異動させれば、専門性もやる気も高まり、市民も幸せになるのでは」と指摘する。

 就任早々臨んだ昨年12月議会では、人事改革に関連し提案した、副市長を倍増する条例案や、市長直轄の政策諮問委員を新設する予算案が否決される事態に。しかしこれについて、「議会の皆さんとは信頼関係をつくって改革を進めなければいけないということ」と、拙速な提案だったことを暗に認め、「近く立ち上げる人事改革プロジェクト全体の中で、きちっと形を固めてから再提案したい」と前向きに語る。

 「とにかく現場主義で、明るく、楽しく、前向きに」が、自身の行動スタイル。薄暗い中で弁当を食べる職員を見て「電力料金は別で削るから昼食は明るくして食べよう」と、昼休みの消灯ルールを廃止した。市長応接室の一角には、市内産品をPRするコーナーも新たに設けた。

 職員とのコミュニケーションの一環で、部局ごとに係長級職員10人程度と懇談する場も設定。「下の者からもどんどん提案してもらって、実行していきたい」と、現場感覚重視で改革にまい進する意向を表明した。

 〔横顔〕兵庫県出身。広島大工学部を卒業後、東京の公益財団に籍を置きつつ環境NGOで活動。視察で訪れた上越市桑取地区の森林保全活動に魅了され、同地区に移住。その後、両親も呼び寄せた。「地域の声を市政に届けたい」と2008、12年の市議選に出馬し連続トップ当選。17年市長選で落選するも、再挑戦で市長に。「子どもや孫の世代が暮らし続けられる社会をつくりたいという思いは大学を出てから変わらない」と話す。

 〔市の自慢〕戦国武将の上杉謙信、近代郵便の父・前島密、「酒博士」と呼ばれた坂口謹一郎ら多くの偉人や、雁木(がんぎ)などの雪国文化。

(了)

(2022年1月25日iJAMP配信)

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