2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】次の50年「脱ベッドタウン」目指す=小紫雅史・奈良県生駒市長 2022/01/31 08:30

小紫雅史・奈良県生駒市長

 昨年11月に市制50周年を迎えた奈良県生駒市。現在2期目の小紫雅史市長(こむらさき・まさし=47)は次の50年に向けて「脱ベッドタウン」を目指している。まちづくりのキーワードに掲げるのは「ワーク・ライフ・コミュニティーの融合」だ。

 大阪市中心部へのアクセスの良さから「大阪のベッドタウン」として発展を遂げてきた市だが、「次の50年はベッドタウンとしての成長は難しい」と指摘。これからは「働き方(ワーク)、家庭での住まい方(ライフ)、地域での暮らし方(コミュニティー)の三つが多様化する時代」だと説き、「それぞれについて多様な選択肢から選べるまちにしたい」と意気込む。

 ひいてはこうした多様な選択肢を「自分で選べるだけでなく、つくっていくことができれば、次世代型の住宅都市として生き残れる」とも話す。今後は、地元企業支援による雇用の創出や、テレワーカーの呼び込みなどを進める考えだ。

 人材の採用と育成にも力を入れる。昨年はデジタルトランスフォーメーション(DX)推進など8職種で中途採用を実施。応募者は700人を超えた。キャリア形成支援を目的に行った、重点事業での職員の庁内公募は政令市以外の自治体では全国でも珍しく、注目を集めた。

 「国から言われたことだけをミスなくやるような事務処理能力が高い人材は必要だが、それだけでは地方創生は立ちゆかない」。そのため、職員に「地元愛」「変革精神」「人間力」の三つを求める。「地域に飛び出して市民の動きをアンテナ高く捕まえたり、女性の創業支援やデジタル化といった新しい取り組みをどんどんやったりするような、変革に対応できる人材を採用・育成することがとても大切」と強調。内と外から、新たな組織風土醸成を目指す。

 昨年3月の第4子誕生を機に、育児休暇を取得している。まとまった期間の休業ではないが、テレワークや早めの退庁を可能な範囲で実践。その結果、特に土日は、料理などで育児に関われる時間が増えた。

 取得する際は「市長が取ることに意味がある」と周りの職員が背中を押してくれた。コロナ禍での取得は批判覚悟だったが、市民からはむしろ応援の声が多かったという。「子育てをしている職員や市民にも、『市長も取ってんねや』と思ってもらえたのはすごくよかった。一つの発信になったかな」

 〔横顔〕環境省出身。公募による同市副市長を経て2015年4月から現職。市長として大切にするのは「楽しい」という感覚。「楽しくないと勉強しても成績が上がらない。まちづくりも一緒」。子ども4人と妻の6人暮らし。

 〔市の自慢〕自ら楽しんでまちづくりに関わる市民がたくさんいること。「理念を示して発信して説明すれば、きちんと理解して、びっくりするようなレベルでまちづくりをしてくれる」

(了)

(2022年1月31日iJAMP配信)

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