2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】朝ドラ効果で認知度向上=熊谷盛広・宮城県登米市長 2022/02/04 08:30

熊谷盛広・宮城県登米市長

 2021年度のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台となった宮城県登米市。豊かな自然や文化観光施設などの魅力が発信され市の認知度が高まり、ふるさと納税の寄付額や観光客が増えた。熊谷盛広市長(くまがい・もりひろ=70)は「ドラマで見た場所に来たいという声も多い。チャンスを生かしたい」と意気込む。

 「おかえりモネ」は、気仙沼市で生まれ登米市で青春を送ったヒロインが気象予報士となって故郷に貢献するストーリー。高校卒業後に働き始める森林組合が登米市にあり、森の役割や林業の魅力がドラマを通じて描かれた。「林業を真正面から捉えたドラマはあまりなかった。山の栄養分が海に流れて気仙沼湾のカキはおいしくなる。山の役割がドラマで紹介され、非常に良かった」と語る。

 市の認知度がアップし、21年4~12月のふるさと納税寄付額は前年同期の約2.2倍に増加。「ドラマを見て登米市を知った」とメッセージを寄せた人も。コロナ禍でもロケ地を訪れる観光客数は伸びた。「長期的にはテレワーカーやUターン者、退職してのんびり暮らしたい人の移住にも期待している」という。

 観光誘客や移住施策に取り組む登米市だが、人口減少や財政悪化に伴う課題にも立ち向かう。05年に9町の合併で誕生した市は、学校や公民館などの公共施設が重複。老朽化も進み、人口規模に見合った施設の再編が急務だ。

 再編構想が進んでいるのは学校で、小学校は現在の22校を旧町域に少なくとも1校に、中学校は10校から4校に集約する予定だ。学校規模が小さくなり部活ができなくなるなど子どもの学校活動が制約される場面もあるとして、「保護者も再編はやむを得ないと受け止めてくれている」と話す。一部地域では、市の総合支所や公民館と小学校を集約し、地域の拠点とする計画も進んでおり、26年の利用開始を目指す。

 また、市役所本庁舎がある中心市街地のまちづくりにも意欲を見せる。将来的には商業施設や病院、文化施設などをコンパクトにまとめるイメージを描いており、「広域合併のまちにはそういう観点が必要」と指摘。一方で「周辺地域を大切にしないと中心部も元気が出てこない。バランスも大事」と述べ、地域を公共交通機関で結び利便性を向上させる考えだ。

 〔横顔〕宮城県議などを経て17年から現職。現在2期目。朝ドラの舞台となったことは正式発表となるまで誰にも言えず、「つらかった」と苦笑。山菜採りが趣味だが、「熊が出るようになり妻に禁止されている」。

 〔市の自慢〕高級ブランド牛「仙台牛」の主要産地。郷土料理「はっと」や、だしで煮た油麩を卵でとじた「油麩丼」もお薦め。優しくて世話好きの多い市民の人柄の良さも自慢だ。

(了)

(2022年2月4日iJAMP配信)

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