2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】全ては「市民のため」の街づくり=伊藤太・愛知県春日井市長 2022/02/08 10:04

伊藤太・愛知県春日井市長

 愛知県の北西部に位置し、従来は名古屋市のベッドタウンとして栄えてきた春日井市。伊藤太市長(いとう・ふとし=72)は2006年の就任以来、「ベッドタウンからライフタウンへ」を掲げ、市民が暮らしやすい街づくりを心掛けてきた。

 市名に掛けた「子はかすがい、子育てはかすがい」のキャッチフレーズの下、子育て政策に力を入れてきた。待機児童は11年連続でゼロを達成。16年には、全ての小中学校の普通教室にエアコンを導入した。また、放課後の子どもの居場所作りとして、「子どもの家」と「放課後仲良し教室」を各小学校に設置。学校の空き教室などを利用し、子どもが勉強や遊びなどをして過ごせる場を提供している。

 昨年は、一部の地区を対象に、人工知能(AI)を活用したオンデマンド方式のバスの運行をスタート。利用者が電話やインターネットを通じて乗車したい区間や日時をあらかじめ予約することで、バスをピンポイントで走らせる仕組みで、効率的な運行が実現した。

 利用者が出発地や目的地のより近くで乗り降りができるよう乗降ポイントを多く設けるなどの工夫を凝らし、「高齢者を中心にニーズがあり、非常に好評」という。「運転が大変だという人たちに対し、いかに外出してもらうか(の対策)は必要」と、移動手段確保の重要性を指摘する。

 サボテンを種から苗に育てる「実生栽培」で全国トップを誇る同市。「サボテンの街」として、商品化やPR活動なども積極的に行っている。「栄養価が高く、健康食品にはうってつけ」のため、食用サボテンを使ったラーメンやギョーザなど、さまざまな料理が誕生しているという。「誰もが知っている植物だが、それを生かしている都市は他にない」とし、独自のブランド確立を目指している。

 三菱重工業で課長を務めた経験を持つ。市長に就任し、職員に対して最初に言ったのは「市役所は、市民のための最大のサービス会社だ」ということ。それ以来、「市民目線」の市政運営を徹底してきた。

 とりわけ大事にしてきたのは、①市民に喜んでもらう仕事をする②コスト意識を持つ③市民との約束を守る(実行する)―の3点だ。これまでの市政運営を振り返り、「『春日井市のために、春日井市民のために』が全てだった」と語った。

 〔横顔〕三菱重工業を退職後、市議を経て市長に。現在4期目。昨年末、22年5月までの今期限りでの引退を表明。引退後は、剣道の若手指導やゴルフを楽しみたいという。

 〔市の自慢〕街と自然のバランスがちょうど良いこと。

(了)

(2022年2月8日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事