2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】市民が作り上げた「花のまち」集大成へ=原田裕・北海道恵庭市長 2022/02/16 08:30

原田裕・北海道恵庭市長

 今年6月から全国都市緑化フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」が開かれる北海道恵庭市。全国的にも「ガーデニングのまち」として知られ、市民主導で作り上げた「花のまち恵庭」が集大成を迎える。原田裕市長(はらだ・ゆたか=69)は「イベントを成功させ、全国に恵庭の魅力を伝えたい」と意気込む。

 始まりは1960年代。市内を花でいっぱいにしようと、市民有志が花壇の整備などを始めたことをきっかけに、現在まで市民によるガーデニングが積極的に行われてきた。市は98年、花による地域振興を担う「花と緑の課(現在の花と緑・観光課)」を設置し、市民と共に花のまちづくりを進めてきた。こうした取り組みが評価され、20年には都市緑化機構の「緑の都市賞」で内閣総理大臣賞を受賞。全国都市緑化フェアの招致につながった。

 近年はシティセールスにも力を入れ、インターネット交流サイト(SNS)などを使い、市の魅力発信を進めている。「市外の方に『恵庭は花のまち』と認識されると、市民はうれしい。市を売り込むことは市民にも還元できる」と期待を込める。

 子育て施策にも注力してきた。「子どもの遊び場や子育て相談ができる場所が非常に乏しかった」と、市は12年に「子どもの居場所づくりプラン」を策定。市内の小学校区全てに学童クラブや子育て支援センターのほか、児童館や放課後子ども教室の役割を担う「子どもひろば」の設置を定め、18年までの6年間で実現した。

 さらに「子どもだけでなく高齢者や町内会の人も集まれる場所があればいいのでは」と、子ども用の遊び場に加えて喫茶や図書コーナー、会議室などのさまざまな機能を持った複合施設を市内3カ所に設置。「誰でも利用できる複合施設は、居心地の良いサードプレイス(第三の居場所)になる」と意義を語る。

 市が19年に行った市民への意識調査アンケートでは、恵庭市に「住みやすい」「どちらかと言えば住みやすい」と回答した人が92.3%に上った。「市民同士が呼応して活動できる環境が、住みやすいまちとされる要因なのでは」と分析する。

 昨年11月から市長4期目に突入。今後も子育て施策を重点的に進め、「妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援」を目指す。また、高齢化社会に備え、JRの3駅周辺を中心とした「コンパクトなまちづくり」を進める。恵庭市の目指す姿は「住む人が幸せに暮らしている実感を持てるまち」という。

 〔横顔〕市職員や北海道議を経て2009年の市長選で初当選。休日は早朝から川沿いを歩く。市民らが散歩する様子やベランダで朝食を取る夫婦を見て、穏やかな気持ちになるという。

 〔市の自慢〕札幌や新千歳空港にもアクセスしやすい利便性の良さと豊かな自然を兼ね備えている。市民活動が盛んで、ガーデンフェスタに向けても有志が駅から会場までの道を花回廊にする企画を進めているといい、「市民力にはいつも感激させられる。行政が後追いしているんです」。

(了)

(2022年2月16日iJAMP配信)

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