2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】持続可能なまちづくりへの転換期=秋元克広・札幌市長 2022/02/15 08:30

秋元克広・札幌市長

 今年、市制施行100年と政令市移行50年という二つの節目を迎える札幌市。北海道の中心として発展してきたが、住民基本台帳に基づく1月1日時点の人口は前年比907人減の196万668人と、政令市移行後、初めて減少に転じた。秋元克広市長(あきもと・かつひろ=66)は「持続可能なまちをどうつくるかという転換期にある」と語る。

 市の人口は戦後の自治体合併や、1950年代以降の道内炭鉱の閉山による元労働者の受け皿となることで増大。72年冬季五輪開催を機に、市中心部には地下鉄や地下街が整備され、積雪寒冷地ならではの悩みや交通渋滞解消につながった。「人口急増の都市課題を解決できる手段となったのが72年の五輪だったと思う」と話す。

 市の出生率は低く、10年ほど前から自然減となる一方、主に道内自治体からの転入超過で社会増となり、人口は伸びていた。しかし道内全体の人口が減り、市の人口も減少に転じた今、「札幌の魅力を磨き上げ、外需をどう獲得するかに取り組んでいかなければならない」と訴える。

 市内には学校が多く、学生が転入してくるが、就職時に市外に出てしまう。特に研究施設などへの就職を希望する理系男性の転出が目立つ。「雇用の受け皿を増やしていかなければいけない」と、企業誘致やスタートアップ企業支援に尽力。昨年7月には、政令市で初めて健康医療やバイオ分野に特化した官民連携地域ファンド「札幌イノベーションファンド」を創設した。研究開発に時間がかかる分野を資金面で支援し、市を拠点に活躍するベンチャーの創出・発展に期待する。

 出生率の向上を目指し、子育て環境の充実にも注力。専門性の高いNPO法人など民間の協力を得ることで、出産前からきめ細かいフォロー体制を構築し、若い女性の孤立を防ぐ。核家族化が進み、社会で子育てする環境が必要な中、「市民の力を借りながら課題を解決したい」と強調する。

 そんな市が現在目指しているのが、2030年冬季五輪・パラリンピックの招致だ。「世界から注目される最大のイベント。札幌のみならず、北海道全体の魅力を発信する絶好の機会」と意義を語る。

 市は22年度から、本庁舎などで再生可能エネルギー100%の電力の使用をスタート。今後は民間の再エネ施設導入促進に向けた補助制度なども設ける方針だ。五輪開催に合わせて環境目標なども設定する予定。「官民挙げて目標に向かっていくと、民間の投資も行われていくと思う」。2度目の冬季大会を再び、まちづくり転換の起爆剤にしたい考えだ。

 〔横顔〕愛猫が日々の癒やし。帰宅時には飛びついて迎えてくれるが、「遊びたがって午前4時ごろに起こされてしまう」と苦笑い。

 〔市の自慢〕「都市と自然の調和が取れたコンパクトなまち」。市内には6カ所のスキー場があり、「都市型スノーリゾートとしての強みがある」。北京五輪でスキー人口が増えることにも期待している。

(了)

(2022年2月15日iJAMP配信)

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