2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】大間原発、度重なる延期も「心配していない」=野崎尚文・青森県大間町長 2022/02/17 08:30

野崎尚文・青森県大間町長

 本州最北端に位置する青森県大間町に建設中の大間原発は度重なる延期で運転開始が2028年度ごろとなる見込みだ。それでも、21年1月に現職を破り初当選を果たした野崎尚文町長(のざき・なおふみ=66)は「あまり心配していない」と語る。

 電源開発が建設する大間原発は、使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う「フルMOX」と呼ばれる原発だ。稼働すれば世界初となる。

 町職員時代の98年4月から約3年間、原子力発電所対策室に配属され、漁業補償や電力会社の視察などの対応に当たった。「電発さんが来た時はたくさん明るい話題を、バラ色の絵を描いていた」と振り返る。当時に比べると、「町民の期待感は薄れている」という。

 大間原発をめぐっては原子力規制委員会による新規制基準への適合審査が長期化し、運転開始時期が先送りされている。それでも先行きを心配していないのは、原子力に対する風向きの変化を感じているからだ。年明けに欧州連合(EU)の欧州委員会が、原子力を脱炭素に貢献するエネルギーと位置付ける方針を発表するなどしており、動向を注視している。

 町職員としては16年に定年退職。町長として再び役場に戻ったが、改めて町財政の厳しさを痛感しているという。新型コロナウイルス対策の交付金が国から支給されるが、「使い方に難儀している」。町内の飲食店の売り上げ減が県などが示す基準に満たないケースが多いためだ。財源不足は深刻で「独自のサービスがなかなかできない」と苦悩している。

 「特に若い職員は町民のことを知らない」との問題意識から、大雪警報が出た日には、1人暮らしの高齢者宅を訪問し雪かきを手伝うよう職員に呼び掛けた。職員が100世帯ほどを回り、住民から喜ばれたという。雪かきレンジャーを組織したい考えだ。

 このほか、町内会に職員1~2人を派遣し給付金などの申請相談会を開きたいという。「行政の言葉は難しいから、役場が文書を用意しただけでは分かりづらい」。町政の理想のあり方をこう語る。「職員には役場の外に出てサービスをしてもらいたい。お金の掛からない行政をつくりたい」と力を込めた。

 〔横顔〕大間小学校野球部のコーチ、監督を22年間続けている。朝の通学路での児童生徒へのあいさつ運動は6年目を迎えた。

 〔町の自慢〕太平洋クロマグロのなかでも、圧倒的ブランド力を誇る大間マグロが自慢。「やはり町を代表するものだ」。

(了)

(2022年2月17日iJAMP配信)

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