2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】教育全体の魅力化を=下森博之・島根県津和野町長 2022/02/22 10:28

下森博之・島根県津和野町長

 「山陰の小京都」として知られ、風情漂う島根県津和野町。津和野藩の城下町として栄え、文豪・森鴎外や啓蒙(けいもう)思想家・西周らを輩出している。町はこれまで、唯一の高校、県立津和野高校の魅力化に取り組んできた。下森博之町長(したもり・ひろゆき=56)は「津和野高校魅力化を一つの実績として、これからは保小中高校まで連携した、町の教育全体の魅力化を図っていく」と意気込む。「教育の町」としての情報発信にも力を入れる考えだ。

 2020年国勢調査では、5年前からの人口減少率が10.2%と、県内自治体の中で2番目に高かった。高校生までの医療費を無償にするなど子育て支援策にも力を入れているが、他の自治体で実施しているところも多く、人口減少に歯止めがかかっていない。そこで、藩校での教育が盛んだった歴史も踏まえ、「町ならではの看板が出せるような特色づくりが大事だ」と教育環境の充実に取り組むことにした。

 「津和野高校支援係」を設置し、町自らが生徒数増加を目指して全国から「教育魅力化コーディネーター」を募集。生徒と世代が近く相談相手になっているほか、授業の一環として地域に出掛けて学習するなど、特色ある取り組みを行ってきた。コーディネーターの提案で、英語力強化のため、町営英語塾「HAN―KOH」も開設。こうした取り組みの結果、定員割れだった同校には全国から生徒が集まり、定員を満たした。地域での学習経験を基に東京大学の推薦入試合格者が出るなど、手応えを感じている。

 全ての子どもたちの教育環境充実に向け、関係者が連携して人材育成に取り組む一般財団法人「つわの学びみらい」を昨年結成し、コーディネーターを増員した。コーディネーターは小中学校でふるさと教育を行うなど各学校の魅力化に取り組み、学年を超えた連携も行う。下森町長はふるさと教育の特色について「地域の人と一緒に学ぶことで、子どもたちが自ら問題意識を持ち、解決していく『生きる力』を醸成する教育」と話す。

 財団法人の活動をさらに後押しするため、昨年、つわの暮らし推進課内に「0歳児からの人づくり推進室」を設置した。連携して教育魅力化の成果を情報発信していく考えだ。今後、「教育移住」を増やしたいと話し、「津和野町で教育を受けさせたい、受けてみたいと思う子どもや親を増やし、人口減少対策の一つのきっかけになれば」と期待している。

 〔横顔〕趣味はラグビー観戦と音楽鑑賞。特に80年代の洋楽を聴くのが好き。出張先で「ぐいのみ」を購入、収集している。

 〔町の自慢〕日本一の清流と評価を受けた高津川と、四季折々の豊かな自然をバックにした城下町の町並みの素晴らしさ。

(了)

(2022年2月22日iJAMP配信)

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