2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】人口・子ども増の自治体に配慮を=山川仁・沖縄県豊見城市長 2022/03/04 08:30

山川仁・沖縄県豊見城市長

 4月に市制施行20周年を迎える沖縄県豊見城市。人口は増加を続け、0~14歳の「年少人口割合」は19.55%(2021年1月1日)で全国トップだ。人口減や少子高齢化に悩む多くの自治体とは真逆の状況だが、若い自治体だからこそ抱える課題も多い。山川仁市長(やまかわ・ひとし=47)は、「子どもが増えている自治体への支援策が少なく苦慮している」と訴える。

 今年1月末の市の人口は6万5966人と、20年前に比べ約3割増え、合計特殊出生率は2を超えている。那覇市に隣接する立地の良さに加え、沿岸部の再開発などで魅力が高まったことが人気に拍車を掛けた。

 人口・子ども増に伴い、学校の教室確保が大きな課題だ。山川氏は「過去6年間、小中学校で計40クラスを増やした。学校を一つか二つ新設する規模に匹敵する」と説明。7月には市立中学の新設工事もスタートする。国は今後、小学校の「35人学級」を実現する方針だが、「子どもが増えている自治体では、その分持ち出しが多くなる」と懸念。そうした自治体への財政措置の必要性を指摘する。

 18年11月の市長就任後、公約とした「子ども改革」を実現するための「こども未来基金」の財源確保に奔走。特にふるさと納税には専門班を設けて取り組んだ結果、納税額は就任前の年約5000万円から20年度に6億5000万円と県内トップの規模に拡大した。

 市税や寄付の一部を合わせ、「子ども改革に持続的に取り組む財政基盤は整った」と判断。4月から子どもの医療費や給食費の家計負担の軽減、習い事の一部助成などを実行に移す。また、保育、貧困対策などに関する政策を立案するとともに、ワンストップで相談に対応する「こども未来部」を創設。「市民のニーズをしっかり捉える」考えだ。

 市の将来像に関しては「那覇市のベッドタウンとしてだけでなく、隣接する自治体の住民も行きたいと思う市にしたい」と語る。市街化調整区域が多く、なお人口増の余地がある上、空港に近く高速道路が走る利便性の高さから企業進出も見込める。「マンゴー、葉野菜、トマトなど県内トップの出荷量を誇る第1次産業も大切にしたい」として、「豊見城ブランド」の向上に努める。

 〔横顔〕祖父は琉球政府の立法院議長を務めた故山川泰邦氏。目的地を定めないで出掛ける妻とのドライブで息抜き。

 〔市の自慢〕美しいビーチや大型商業施設のほか、戦争の痛みを伝える旧海軍司令部壕(ごう)、多様な生き物を観察できる干潟など、「ベッドタウン」の枠にとどまらない観光スポット・名所も多い。

(了)

(2022年3月4日iJAMP配信)

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