2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】イベント中心でない「年間通じた観光」を=中重真一・鹿児島県霧島市長 2022/03/14 08:30

中重真一・鹿児島県霧島市長

 建国神話で語り継がれる「霧に煙る海に浮かぶ島」がその名の由来とされる鹿児島県霧島市。神話に登場する神の子孫を祭る「霧島神宮」は今年2月、県内建造物では初の国宝となった。国宝指定に向けた取り組みを主導した中重真一市長(なかしげ・しんいち=44)は「新型コロナウイルス収束後もかなりの武器になる。今までの観光はイベント中心だったが、今後は市が持つさまざまな観光資源の価値を高め、年間を通じて人を呼べるようにすることが重要だ」と力を込める。

 空の玄関口・鹿児島空港が立地し、至る所で温泉が湧き出る県内有数の観光地としても知られる。新型コロナが猛威を振るう前から紅葉の季節を中心に、県内外からの観光客でにぎわう一方、人の出入りが少ない時期はイベントを開催してホテルや旅館を埋めていた。「イベントで滞在してもらえるのは長くて1週間。それでは大きなホテルや旅館はやっていけない。ホテル同士がパイを食い合う発想ではなく、年間の絶対数を増やさなければならない」

 新型コロナによる観光客の激減が、誘客の在り方を見直す契機となった。コロナ禍では、近場を旅行する「マイクロツーリズム」が鍵になるとも指摘。特に、2020年から行っている修学旅行への1泊2000円の助成では、県内を中心に多くの利用があった。修学旅行生はコロナ前の6倍に増え、「大型ホテルにとってはインバウンド(訪日外国人旅行者)の穴を埋められる。若い世代に来てもらうことは、先を見据えた観光としても大きい」と手応えを語る。

 市が抱える喫緊の課題に人材不足を挙げる。企業が多く立地する半面、「鹿児島自体が人材供給県になっている」。高速道路が通り、離島にも空港から1時間で帰れる交通の便を生かし、「平均収入も県内では高く、家賃も安い。逆に人材を市内に集める取り組みを進めたい」ともくろむ。

 市内全域への超高速ブロードバンド(光回線)整備計画により、過疎化が進む中山間地域への企業誘致の土台ができつつあり、平野部への人口集中問題の解決も期待できる。トンネルなども整備して利便性を高め、「将来的には市内でのドーナツ化現象を目指したい。移住もいいが、子や孫の世代が霧島に残ってくれる方が断然いい」とアイデアを語った。

 〔横顔〕県議を経て17年に初当選。昨年11月に再選を果たした。退庁後の夜釣りが趣味で、「市場に卸せばとんでもない値段が付く」巨大アオリイカを釣り上げたことも。

 〔市の自慢〕人口約12万人と、鹿児島市に次いで県内2番目に多い。面積も薩摩川内市に次いで県内2位。東京23区とほぼ同じ広さという。空港や高速道路を有し、「県内外のどこにでも行きやすい」地の利も魅力。

(了)

(2022年3月14日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事