2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】新幹線で関東から誘客チャンス=水上実喜夫・福井県勝山市長 2022/03/17 08:30

水上実喜夫・福井県勝山市長

 約2年後に迫る北陸新幹線金沢―敦賀開業。約4年後には、中部縦貫自動車道の福井県内全線開通も予定されている。勝山市の水上実喜夫市長(みずかみ・みきお=63)は「関東圏の人たちにとって、市が観光の選択肢に入る初めてのチャンスだ」と意気込む。

 市は、約200室ある宿泊機能を約500室まで増やすことを目標に掲げる。実際に、恐竜博物館が立地する「かつやま恐竜の森(長尾山総合公園)」へのホテル建設計画があるほか、中部縦貫道の出入り口となる道の駅「恐竜渓谷かつやま」周辺のグランピング施設の整備が進んでいる。これまでは県内や北陸・関西圏からの日帰り客が目立っていたが、今後は関東圏をターゲットに「2~3泊してもらえるような地域づくりが必要だ」と強調する。

 一方、恐竜博物館については、観光だけでなく研究施設としての側面も重視。「博物館が長期にわたって集客を続けられたのは、単なるアミューズメントではなく、国内の恐竜研究をリードし、世界でも一定の位置を占めているから」と説明する。市内には2025年、全国初となる県立大学「恐竜学部」(仮称)のキャンパスが誕生する。こうした場を生かしながら、「観光誘客と学術研究のバランスを模索したい」と語る。

 市内には、西日本最大級とされるゲレンデ「スキージャム勝山」や「白山平泉寺」なども立地。ただ、新幹線が停車する福井、芦原温泉両駅からの二次交通は課題の一つ。レンタカーやバスなどに加えて、「えちぜん鉄道との連携が重要だ」との考えを示す。

 一方、加速する人口減少への対応も待ったなしだ。22年度からは過疎地域に加わる。そんな中、体制整備の一環として、教育委員会が所管する学校教育以外の機能を市長部局に移行。社会教育施設としての公民館を廃止し、「まちづくり会館」に転換する。「雪害や福祉、農業など地域によって課題はさまざま。コミュニティーを強化し、地区特有の課題に取り組んでほしい」との思いを込めた。

 新年度には、市内10地区が10年間で使える基金を創設する。「人口が減っても、今の住民が安心して暮らせる体制づくりが大事だ」という。40年に及ぶ市職員時代の経験を糧に、市の未来を見据えた。

 〔横顔〕企画財政部や商工観光部の部長や副市長を歴任。読書好き。1日1冊ペースで読むこともあり、特にSF小説が好み。

 〔市の自慢〕山並みや九頭竜川など豊かな自然と景観。優しくて穏やかな市民性。

(了)

(2022年3月17日iJAMP配信)

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