2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】区民目線で業務組み直しを=樋口高顕・東京都千代田区長 2022/03/23 08:30

樋口高顕・東京都千代田区長

 中央省庁の立ち並ぶ霞が関から電気街の秋葉原まで幅広い側面を持つ東京都千代田区。2021年2月に就任した樋口高顕区長(ひぐち・たかあき=39)は「区民目線に合わせて、業務を組み直さなくてはいけない」とし、1200人の区職員の総力を結集して、行政サービスのデジタル化・高度化を進める。

 区は22年度当初予算案にデジタルトランスフォーメーション(DX)関連で約17億7000万円を計上。「(脱炭素の)グリーンとデジタルは世界の潮流だ。社会のありようや価値観が大きく変わるパラダイムシフトが遅まきながら官公庁にもやってきた」と力を込める。

 区は昨春、部横断的に20~30代の職員を中心に、DXに向けてプロジェクトチーム(PT)を設置。その狙いについて「自身が暮らす自治体で、職員も『こういう行政サービスがほしい』と思っているはず。いろいろな手続きをする一区民や一市民だったらどう思うかということを柔軟な発想でやってもらいたかった」と話す。

 その成果の一つが、早ければ23年度をめどに運用を開始する区独自ポータルサイトだ。現時点では転入・転出など基本的な手続きに加え、まずは子育て世代向けのサービスを検討。アクセスした人の属性に合わせて、例えば、児童手当の申請や保育所の入所などの手続きや書類を確認でき、サイト上で申請までできるようにする。「区は特に子ども関係のサービスが充実している分、手続きも多い。また、働く世代はオンライン利用のニーズも高いと思われる。そのため、まずはこの世代から対応していきたい」と語る。

 また、新型コロナウイルスの影響で失われた街のにぎわいを取り戻すために、歩きやすく居心地の良いまちづくりにも力を入れる。

 その一環として、22年度は道路を公園のように、路地をリビングのように変える「プレイス・メイキング」の実証実験に取り組む。これまで区内では、路上駐車スペースに畳や縁側を設置して1日限定の休憩スペースを作った例がある。特に江戸時代に町人のまちだった神田には路地がたくさんあり、「路地裏を取り戻すような感覚ができればいい。区ローカルで実現していくのがミッションだ」。

〔横顔〕京大法卒。民間企業勤務を経て、17年7月に東京都議会議員に初当選。趣味は茶道で、「日本の美の総合芸術だ」。

〔区の自慢〕区観光協会が主催する「東京大回廊写真コンテスト」の作品に「区内にこんな景色があるんだな」と驚く。21年の第6回コンテストでは東京駅そばにある丸ビルから国会議事堂方面を撮影した『空のキャンバス』がグランプリに。入選作品は区長の名刺に刷られている。

(了)

(2022年3月23日iJAMP配信)

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