2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「いいな」と思える村に=越原道広・長野県王滝村長 2022/03/24 08:30

長野県王滝村・越原道広村長

 山岳信仰の対象となってきた御嶽山のふもとに広がる長野県王滝村。県職員を経て2月に無投票で初当選した越原道広村長(こしはら・みちひろ=60)は、「『この村はいいな』と思ってもらえるようにしたい」として、村のファンを増やそうと意気込んでいる。

 2020年の国勢調査によると、村の人口は715人。過去5年間の減少率は14.8%で、県内市町村で4番目に高い。

 「人口減少は全国的な問題で、取り合いをしてもしようがない。(観光や仕事で訪れる)交流人口と(その地域に愛着を抱く)関係人口を増やしていく」と話す。

 村を知ってもらう手段の一つがふるさと納税だ。返礼品は「トレイルラン」や「マウンテンバイク」のレース参加券だったり、村の飲食店・宿泊施設で使える商品券だったり。新型コロナウイルス禍でレースは中止になったが、村に来ないと得られない返礼品にしたのは「できるだけ村を知って、『関係』してほしい」ためだ。「ふるさと納税は、本来そういう趣旨では」と語る。

 水のつながりも生かす。村と同県木曽町にまたがる牧尾ダムは愛知用水の水源で、知多半島まで流れる。愛知県大府市とはボランティアによる植林活動や王滝村物産展といった交流がある。他の自治体にも輪を広げ、「川と同じように、流れが絶えないようしっかりとつながりを持っていきたい」。森林管理などを通じて温室効果ガス削減量を国が認証するJ―クレジット制度の参加にも意欲を見せる。

 14年の御嶽山噴火災害では、多数の犠牲者を出した。県が防災情報拠点「御嶽山ビジターセンター」を設置するのに合わせ、村は老朽化している観光センターの見直しを検討中。気象庁は今年2月、警戒レベルを「1」(活火山であることに留意)から「2」(火口周辺規制)に引き上げており、「(登山や観光への)影響はないとは言えない」と心配する。

 かつて旧村営スキー場の負債が村の財政を圧迫。実質公債費比率が32.1%となった08年度決算で、財政再生団体の一歩手前である財政健全化団体に転落した。職員を減らして給与もカット。村民も沿道の草刈りに協力するなどして、1年で脱却できた。同比率は6.3%(20年度決算)まで改善したが、「引き続き財政は裕福ではない。村民も一緒になってやる意識を持って」と呼び掛ける。

 〔横顔〕凍った湖やダムに穴を開け、冬のワカサギ釣りを楽しむ。母、妻、次女と4人暮らし。好きな言葉は「一期一会」。県に勤務していたとき全国植樹祭の担当となり、「人との出会いが大事と痛感した」。

 〔村の自慢〕おいしい水。湧水「御嶽神社里宮御神水(さとみやごしんすい)」は信州の名水・秘水に指定されている。

(了)

(2022年3月24日iJAMP配信)

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