2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】地元回帰へ魅力アピール=岩谷一弘・埼玉県春日部市長 2022/03/30 08:30

岩谷一弘・埼玉県春日部市長

 少子高齢化による人口減少は多くの自治体が抱える共通の課題だ。首都圏のベッドタウンで、漫画「クレヨンしんちゃん」の舞台で知られる春日部市でも事情は変わらない。昨年10月に初当選した岩谷一弘市長(いわや・かずひろ=56)は「地元で育って、東京に移り住んだ人に戻ってきてもらうことを考えている」と話す。住んでいた人なら地元の良さを分かっており、「他からの人より、10倍来る可能性が高い」(岩谷氏)からだ。

 進学や就職などで、都心に移り住む市民は多い。「私もそうだった。(東京の)魅力的な街がすぐ南側にあるのだから仕方ない」と話す一方、「いずれ戻ってきたくなるものを用意できるかが大切だ」と訴える。

 特に女性へのアピールを重視する。例えば子育て環境だ。地元に残る親の近くに住めば、子供の面倒を見てもらえ、働きやすいとみて、こうした家庭に「補助を出すことも検討したい」と話す。

 安心、安全や子育てしやすいまちの次にアピールすべき魅力として「コロナ禍で意識が高まった健康への取り組み」を挙げ、「赤ちゃんから高齢者まで全世代に響くはずだ」と力を込める。具体的には起伏の少ない地形や自然を生かし、見どころあるウオーキングコースを増やしたり、歩道を拡張したりするなど、健康づくりにつながるまちづくりに生かしたいという。

 ほかにも、いわゆる「メタボ健診」の受診と、その後の生活や食事、運動などの指導、改善の取り組みを強める施策を検討する。さらに「人の幸せは、1番が睡眠、2番が食べること」として、歯科検診を強化して、好きなものをストレスなく食べられることを目指す施策も考えているという。「『春日部で暮らすと健康になる』と評判になれば、人を引きつけるだろう」と期待する。

 現在就任4カ月。「既に2022年度予算はほぼできあがっていた」ことから、自身の構想を反映させるのはまだ先になりそうだ。それでも「市民が望んでいるのは(4期続いた前職の市政で停滞していた)スピード感だ。スムーズな庁内の決定に心がけたい」とし、今後の施策展開に向け、強い意欲を見せる。

 〔横顔〕早稲田大卒。民間勤務などを経て、06年4月に市議に初当選。17年の市長選では前職に5票差で落選したが、21年に当選した。趣味は野球やサッカーなどの「生」観戦。

 〔市の自慢〕都市と田舎が混在。住宅街が並ぶ一方で、郊外には緑豊かな田園風景が広がる。都心へも近く、買い物も便利。「クレヨンしんちゃん以外のイメージもアピールしたい」

(了)

(2022年3月30日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事