2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】南海トラフ犠牲者ゼロ目指す=三浦源吾・和歌山県御坊市長 2022/04/04 08:30

三浦源吾・和歌山県御坊市長

 和歌山県中部に位置する御坊市では、防災拠点機能を持つ新庁舎の建設が進む。6月で就任から2年を迎える三浦源吾市長(みうら・げんご=62)は「南海トラフ地震を含む災害での犠牲者ゼロを目指し、ハード・ソフト両面で取り組みを進めていく」と語る。

 市の2019年度決算の経常収支比率は107.4%で全国の市でワースト2位だった。三浦氏は「20年度当初予算から3年連続のマイナスシーリング実施やふるさと納税の増加により21、22年度は財政調整基金を取り崩さずに済んだ」と振り返る。「これからも持続可能な財政運営をしていく」と気を引き締める。

 現庁舎は、完成から約50年がたち、10年の診断で耐震強度不足が指摘された。21年12月に和歌山県北部で地震が発生した際は、震度5弱の揺れで窓ガラス約40枚にひびが入った。また、建物や空調設備、電気設備などの老朽化も進み、補修に伴う維持管理費の増加も問題となっている。

 新庁舎は21年12月に着工。23年10月に完成し、24年1月から使用を始める予定だ。総工費は約50億円の見込み。津波対策のため庁舎機能は2階以上に配置し、防災デッキも備える。三浦氏は「新庁舎は防災拠点にもなる。新型コロナや材料費の高騰など懸念要素もあるが、計画通りに進めたい」と話す。

 一方で、「市民の防災意識の啓発などソフト面の対策も重要だ」と指摘。市内に3カ所ある津波避難タワーの周辺を歩いて、避難経路やタワーの利用方法を確認しながら健康づくりにもつなげる「防災さんぽ」などの取り組みも強化していくという。

 高齢化も課題だ。21年4月1日時点の高齢化率は31.7%で、高齢者単身世帯の全世帯に占める割合は20%を超える。市は19年4月に「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」を施行。三浦氏は「全ての人が活躍できるまちにしたい」とし、「認知症となっても自分らしく生活している高齢者を紹介する講座を開催することで、市民の認知症への正しい理解や先入観の払拭(ふっしょく)を図っていく」考えだ。

 観光振興については、「100万人が1回来る御坊ではなく、1万人が100回来る御坊」をコンセプトに、リピーターや関係人口の創出に向けたプロモーションに力を入れる。市内で人気なのが「野口オートキャンプ場」。「『キャンピングカーの聖地』を目指し、紹介動画やイベントでのPRに力を入れる」と話す。

 〔横顔〕京都産業大学卒業後、和歌山県に入庁し、農業生産局長や日高振興局長などを歴任。趣味はウオーキング。市役所への通勤は徒歩で、月間30万歩歩く。

 〔市の自慢〕山・川・海など豊かな自然。温暖な気候を生かしたスターチスなど花卉(かき)栽培も盛ん。「御坊様」とも呼ばれる日高別院を中心とした寺内町には歴史的建物が点在する。

(了)

(2022年4月4日iJAMP配信)

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