2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「脱東京」追い風に、選ばれるまち目指す=神谷俊一・千葉市長 2022/04/06 08:30

神谷俊一・千葉市長

 新型コロナウイルスがもたらした「脱東京」を追い風に、地域経済の活性化や福祉の充実を図り、転入者を増やしたい千葉市。神谷俊一市長(かみや・しゅんいち=48)は「職住近接のゆとりある生活が好まれる時代になり、利便性の高い都市機能と自然の豊かさが併存する市の生活環境が再評価されている。住む場所、働く場所として選ばれるよう、磨きを掛けていきたい」と話す。

 2021年の転入超過数は全国市町村で6番目に多かった。転入者をさらに呼び込むため、神谷氏は「住まいと職場が近いことが望まれている。だから、働く場所をしっかりつくることが一番大切」と強調。転入超過の後押しになったリモートワーク浸透やライフスタイル多様化は「コロナ禍で必要と明確になったことだ」と指摘、今後も続くと期待する。

 雇用の確保に向け、企業立地を引き続き支援するほか、22年度にはリモートワーク導入費の補助を始める。福祉の面では、不登校児童専用の教室を開設したり、外出困難な高齢者らを対象に階段昇格機の費用を助成したりする。

 東京に近いという利点も生かす。21年は東京からの転入が超過に転じた。「都心への交通アクセスの改善にも取り組みたい」と意気込む。

 一方、誘致に力を入れていた国際会議や展示会といった「MICE」はコロナで打撃を受けた。「オンラインの利便性が分かり、コロナ後も(対面による開催の)需要は減るのでは。今後はリアルとネットのハイブリッド形式も支援する」と語る。

 代わりに集客が見込めるのがスポーツや音楽のイベント。誘致が実り、4月にはスケートボードなどの国際大会「Xゲームズ」が国内で初めて開かれる。さらに、「サマーソニック」「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」といった野外音楽フェスも相次ぐ。市はチケット購入者に飲食店で使えるクーポン券を販売する予定で、神谷氏は「(地元での購入を促す)『バイローカル』の価値観を大事にし、地元経済を循環させたい」と話す。

 3月に市長就任から1年を迎えた。「負託に応えられているか、自問自答する日々だ」と振り返り、「コロナで停滞した地域行事や経済活動を日常に戻していきたい」と気を引き締めた。

 〔横顔〕東大経卒。96年自治省(現総務省)に入り、千葉市副市長、総務省室長などを務めた。「ヨルダン大使館赴任中に遭遇したイラク戦争で培った危機管理、消防庁勤務での災害対応の経験がすごく役に立っている」。最近、ランニングとウオーキングを始めた。

 〔市の自慢〕900年の歴史があり、都市機能が集積する一方、海辺や川辺、谷津田の自然もある。市民1人当たりの都市公園面積は首都圏政令市でトップ。緑が豊かでのびのびと暮らせるまち。

(了)

(2022年4月6日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事