2022/令和4年
930日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「リラックス」で関係人口増=黒沢弘・長野県小海町長 2022/04/22 08:30

黒沢弘・長野県小海町長
スーツの裏地にあしらわれた阪神タイガースのマーク

 北八ケ岳の麓に広がり、人気アニメ映画「君の名は。」に登場する湖のモデルになったとされる松原湖が有名な長野県小海町。2月に再選した黒沢弘町長(くろさわ・ひろし=66)は人口減少を食い止めるため、「関係人口(増加)が第一歩だ」と力を込める。県内外の都市部の企業に、豊かな自然環境を生かした健康づくりプログラムを提供する「憩うまちこうみ事業」は好評で、提供企業は19社に上り、手応えを感じている。

 19年度に企業の受け入れを始めた同事業では、ヨガやたき火のほか、地元食材を使った野菜中心の食事など宿泊を伴う独自のプログラムを用意。従業員のメンタルヘルスケアなど企業の「健康経営」の支援が目的だ。企業間の紹介で協定企業が増えたそうで、「夜にたき火を見ながら話し合うなんてそんなにない。心身共にリラックスして『やるぞ』となる」と事業内容に自信を見せる。新型コロナウイルス禍で進む地方への関心の高まりを機に受け入れを増やしたい考えで、25年度までに30社を目指す。

 「われわれが気付かない自然の良さを感じてもらえれば、定住につながる」。継続的な訪問や利用が移住定住につながることも望む。「19社から100人ずつ来てもらうと結構な数だ」と話し、町のPRにも一層力を入れる。

 このほか、町では定住を促進するため、町北部に住宅用分譲地37区画の造成を進めており、23年度中に売り出す予定だ。「(企業などの)中堅の方々が良い収入を稼ぎ、定着することが、人口増につながる」と展望を語る。そのためにも、出産祝い金や奨学金などの子育て支援を充実させ、企業誘致も推し進める。

 21年には都内のIT企業が町内に支社を開設。この支社は町の活性化の一環で、地元の養殖場を借りてイワナの養殖を行っているという。「着眼点がわれわれと違うので本当に勉強になる」と感心しきりだ。誘致を進める上で「ウエルカムな状態にしておくことが必要だ」と強調し、行政として可能な支援を見極め、積極的な姿勢で誘致に取り組む考えだ。

 〔横顔〕熱烈な阪神タイガースファンで「全てがタイガースで生きている」。趣味は利き酒やまき割り。バーベキューも好きで、特に最後に行うダッチオーブンの掃除にこだわる。「徹底的に磨き、次さっと使えるのが気持ち良い」。妻と2人暮らし。

 〔町の自慢〕北八ケ岳の大自然。馬にくらを掛けたように見える模様の大豆「鞍掛豆(くらかけまめ)」。白菜など高原野菜の生産も盛ん。アニメ監督・新海誠氏の出身地。

(了)

(2022年4月22日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事