2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】ダム完成後の将来見据えて=土屋浩・愛知県設楽町長 2022/04/25 08:30

土屋浩・愛知県設楽町長

 愛知県北東部、奥三河の山間地に位置する設楽町は、2026年度の設楽ダム完成を見据えてまちづくりに取り組んでいる。土屋浩町長(つちや・ひろし=61)は「ダム事業が終わった後の町や住民の将来をどうしていくか。(住民と)一緒に考えていきたい」と話す。

 横山光明前町長時代にダム建設の受け入れを表明。21年5月には、新たな観光拠点となる「道の駅したら」がオープンするなど、ダム建設に伴う振興策は実を結びつつある。ダム工事関係者らが町を訪れることによる経済効果も出ており、現在は「良い状況にある」という。

 ただ、こうした状況は「いずれ終わる」と指摘。人口が減少し、財政が厳しくなっても「(行政サービスを提供する)地域は小さくなるわけではない」と厳しい表情だ。「何を選び、どんな町をつくっていくのか。住民の皆さんと考えていかないといけない」と訴える。22年度からは行政区ごとに懇談会を開き、住民の声に丁寧に耳を傾けていく考えだ。

 「ダムを受け入れていただいた町民の皆さんに還元できたら」と、ダムの放流水を活用した小水力発電施設の整備を計画。事業の実施方法は検討の段階だが、「例えば町内の公共施設の電力を100%賄うようにすることも考えていきたい」という。

 地域おこし協力隊員が町での普及に取り組んだことをきっかけに、アウトドア競技のオリエンテーリングを生かしたまちづくりにも力を入れる。20年度から町内で「オリエンテーリングフェスタ」を開催しており、「ゆくゆくは全国大会ができれば」と先を見据える。地域に根差したスポーツとして盛り上げようと、小学校の授業や県立田口高校での部活として実施することを提案している。

 「ここの良さは人の温かさと親しみやすさ。来ていただいた方につながりを持ってもらえたら」。大会を関係人口創出につなげることも期待している。

 〔横顔〕町議を経て、21年10月に町長に就任。日本テレビの人気番組「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」に町の仲間と共に長年出場している。原動力は「とにかく毎日楽しく過ごしたい」との思いだ。

 〔町の自慢〕三つの水系の水源があり、豊川水系は田楽、矢作川水系は「棒の手」、天竜川水系は「花祭り」と、水系ごとに異なる文化が受け継がれている。原生林もあり「自然が残っている」

(了)

(2022年4月25日iJAMP配信)

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