2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】加工用トマト生産量、日本一へ=横山茂・北海道沼田町長 2022/04/26 08:30

横山茂・北海道沼田町長

 北海道内でも有数の豪雪地帯、沼田町。一村一品運動の広がりで始めた加工用トマトの栽培が盛んで、横山茂町長(よこやま・しげる=58)は「日本一の生産量を目指している」。人口減少が進む中、主要産業である農業の発展とコンパクトタウンの実現で「元気な町にしたい」と語る。

 昼夜の寒暖差が大きい町内で育つトマトは、糖度が10度近くになり、リコピンも豊富。完熟すると一つ一つ手摘みで収穫され、工場でジュースやケチャップなどに加工される。1982年から町営で操業してきたが、「公務員に商売は難しい」と、2021年4月から調味料メーカーに製造販売を委託。「売り上げアップはプロに任せ、行政は農家をサポートすることで、まだまだ伸びる」

 同年の収穫量は310トンで、将来的には1000トンを目指す。22年度は機械での収穫を試すとともに、約700本の苗を家庭菜園用に配布。「町民を巻き込んで、我が町の特産品をつくる」と、新たな商品開発にも意欲を見せる。

 1955年に約2万人だった人口は、60年代の炭鉱の閉鎖などで減少。現在3000人規模となる中、半径500メートルの範囲内で歩いて暮らせるまちづくりが進む。「郊外に住むお年寄りに、元気なうちにまちなかに住んでもらいたい」。

 17年には中核となる、診療所や通所介護施設が入る「暮らしの安心センター」と、スーパーマーケットや金融機関が入る「まちなかほっとタウン」が開館。22~23年度は、同センター近くに高齢者住宅を計10戸整備する。不安なく過ごせるよう、雪を落とさず自然に溶かして処理できる屋根などを採用した。「周辺にはトマト畑をつくり、お小遣い稼ぎをしてもらおうかな」と笑顔を見せる。

 まちづくりの中心に据える石狩沼田駅は、JR北海道が廃線を求める留萌線内に位置。町内にはNHK連続テレビ小説の舞台となった恵比島駅もある。町民の鉄路に対する愛着は強く、存続を訴えている。ローカル線の採算悪化が全国的にも話題に上る中、「環境にも配慮されている鉄道は、国にしっかり守ってほしい」と望む。「一人でも多くの人に乗ってもらえるような意見を提案していく」と力を込めた。

 〔横顔〕町の政策推進室長や農業商工課長などを歴任し、19年5月から現職。休日はウオーキングや読書をして過ごす。

 〔町の自慢〕8月に開催される「夜高(ようたか)あんどん祭り」。高さ7メートルの巨大なあんどんを豪快にぶつけ合う。「こんなに勇壮な祭りはない」

(了)

(2022年4月26日iJAMP配信)

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