2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】脱炭素で経済成長図る=熊谷俊人・千葉県知事 2022/04/26 08:30

熊谷俊人・千葉県知事

 脱炭素時代を見据えた取り組みで経済活性化を図りたい千葉県。熊谷俊人知事(くまがい・としひと=44)は「脱炭素化で千葉は日本の縮図。ここで実現できなければ日本は目標を達成できない」と話す。「カーボンニュートラルは新たなビジネスの芽で、いずれ巨大市場になる。経済の礎を築けるよう目指したい。千葉にはそれができる環境がある」と意気込む。

 石油化学や鉄鋼業などが集積する東京湾沿いのコンビナートは長年、経済をけん引してきたが、「産業部門」では県内の二酸化炭素(CO2)排出量の6割を占める。政府が打ち出した温室効果ガスの排出量を2050年に実質ゼロとする目標について、「実現にはコンビナートを中心とした企業の真価が問われる」と指摘。CO2排出量を減らす技術革新や脱炭素化への取り組みが企業の強みになるよう「政府と連携して支援していく」と話す。

 脱炭素社会の切り札とされる再生可能エネルギーの一つ、洋上風力発電では、同県銚子市沖で設備の建設が本格化する。「洋上風力という新しい潮流に県内企業が参入し、ビジネスチャンスを得られるよう、マッチングを進めたい」と余念がない。全国2位の導入量を持つ太陽光発電と合わせ、「首都圏で再エネの一大生産拠点になることが期待される」と力を込める。

 次世代のクリーンエネルギーと言われる水素にも商機を見いだす。成田空港と首都圏を結ぶ交通、石油化学などのコンビナートでは大規模な水素の需要が見込める。一方、洋上風力発電などで水素をつくれる可能性もある。県は22年度、潜在的な需給量を試算し、利活用までのサプライチェーンの例を提示する計画だ。「生産と消費の両面でポテンシャルが高い。マッチングできれば日本全体のカーボンニュートラル実現にも資する」と話す。

 新型コロナウイルス感染拡大で浸透したリモートワークを後押しに転入者増加も狙う。「企業誘致で職場をつくると共に、テレワークなど新しい働き方の流れも取り込んでいく」と説明。ワーケーションや二地域居住の促進にも意欲的で「千葉での暮らしを都内で働く人やリタイア世代にもっと発信したい」と強調する。

 4月に就任2年目を迎えた。「成田空港周辺市町の国家戦略特区、教育や経済で仕掛けたことが見えてくるとき。勝負ポイントだ」と気を引き締める。コロナでは社会経済活動の再開にかじを切った。「すべきでないという『引き算』ではなく、こうしたらできるという『足し算』を示していく」と前を向く。

 〔横顔〕早大政経卒。09年6月から約12年間千葉市長を務めた。今年11月の「ちばアクアラインマラソン」ではハーフマラソンに挑む。「注目してもらい、皆さんが運動を始めるきっかけになれば。運動習慣も上げたい」

 〔県の自慢〕東京近郊でありながら、豊かな緑と海に育まれた文化や食を楽しんで暮らし、働くことができる。

(了)

(2022年4月26日iJAMP配信)

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