2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「企業との連携、課題にコミット」―小嶋崇嗣・宮崎県新富町長 2022/05/02 08:30

小嶋崇嗣・宮崎県新富町長

 「人口減少、少子高齢化など、さまざまな課題が複雑化、重層化する中で、行政の組織の中だけでは解決できないことが多いのが現代。課題解決のため、さまざまなパートナーと一緒に取り組んでいきたい」と語る宮崎県新富町の小嶋崇嗣町長(こじま・そうし=50)。民間企業、団体などと次々と連携協定を結んでおり、「新富町の連携には一つ一つに明確な目的があり、課題解決にコミットしている」と強調する。

 例えばパナソニックなどとの連携では、食品廃棄ロス削減、生ごみ減量化に取り組むため、生ごみ処理機を町民宅に設置し、処理後のごみを回収し堆肥化する。現在、町内のコミュニティーガーデンなどで野菜栽培に役立てる実証実験が進行中だ。

 ユニリーバ・ジャパンは、町内中学生の描いたウミガメのイラストを同社が液体せっけんのパッケージに採用するとともに、売り上げの一部をウミガメや環境保護のため寄付。また、液体せっけんのリフィルステーションを町内に設置し、プラスチックごみ削減を進めたり、サッカースタジアムの命名権を取得したりして町を支える。

 最近では「ぐるなび」などとも手を組んだ。総務省の地域活性化起業人制度を活用して、同社が町に人材を派遣。加工品や土産品の魅力アップや発信で奮闘中だ。「連携を機に、モノではないふるさと納税の返礼品も考えたい。新富町産の食材だけを使ったメニューを東京のレストランで提供し、返礼品にしていきたい」などとアイデアを練っている。

 地元JAと共に進める農業公社「アグリベース」による農業振興では、三洋化成など大手企業数社も巻き込んで計画が進行中で、スマート農業や新素材を活用して、生産技術や新商品の開発を目指す。「企業などの農業参入には障壁があるが、公社が協力することでハードルを下げ、うまくいけば新富町の土地で本格的に農業を展開してもらうことができる。企業版ふるさと納税を活用し、建設費などに町の負担はない」と工夫を凝らしながら事業を展開している。

 町長になって4年強。「持続可能なまちづくり、農業づくりの関連だけでも、これまでに10件を超えるハイペースで連携を進めている。今後もさらに力を入れ、近くびっくりするような連携、事業を明らかにしたい」と意気揚々だ。

 〔横顔〕町議会議員を経て2018年に町長就任、今年2月に無投票で再選。就任以来、連携の模索のほか、役場内改革を矢継ぎ早に打ち出している。高校時代に陸上に打ち込み培ったスピード感は健在だ。

 〔町の自慢〕自衛隊基地関連の転出入が多いなど、多様性を受け入れる環境があり、LGBTなど性的少数者への理解も進む。和牛五輪と呼ばれる「全国和牛能力共進会」で過去3大会連続内閣総理大臣賞に輝く宮崎牛の中でも、町産の牛は県内枝肉評価が一位。

(了)

(2022年5月2日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事