2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】京都版CDCの創設に意欲=西脇隆俊・京都府知事 2022/05/11 08:30

西脇隆俊・京都府知事

 4月の知事選で再選し、2期目に入った京都府の西脇隆俊知事(にしわき・たかとし=66)は、1期目から続く新型コロナウイルスへの対応を踏まえ、「新興感染症の発生に備え、京都版の疾病予防管理センター(CDC、仮称)の創設に向けた検討を進めたい」と意欲を示す。

 府は現在、ウイルスのゲノム解析を国立感染症研究所に依頼しているが、「解析に時間がかかる。オミクロン株の別系統『BA.2』の解析も感染者の1%しかできていない」と指摘。「府も迅速に感染状況やウイルスの変化を分析して対策に生かす拠点が必要と感じた」と振り返る。

 府内には、技術力の高い企業や高度な医療を提供できる病院、豊富な知見を有する大学が集積している利点があり、「SARSやMARS、新型インフルエンザ、新型コロナと一定の間隔で感染症は襲ってくる。次の新興感染症に備えて準備したい」と先を見据える。

 長引くコロナ禍で、中小企業の経営悪化を懸念。「来年度から始まる無利子無担保融資の返済には不安があり、国は借り換えできる長期の低利融資を創設してほしい」と訴える。府も物価高騰を受けた支援に取り組むほか、「新産業の創出を目指し、停滞した起業支援にも本腰を入れたい」と意気込む。

 また非正規雇用や女性、ひとり親家庭など社会的に弱い立場の人に大きな影響が生じており、「寄り添った支援が必要だ」と強調。「収入確保には給付だけでなく雇用も大事だ。雇用支援を強化して生活基盤の確立に力を入れたい」と話す。

 1期目で「子育て環境日本一」を掲げたが、「コロナ禍で進まず歯がゆい思いをしてきた」。ただ、昨年から、泣き止まない子どもをあやす親を温かく見守る「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を開始。子育て支援施設の整備や中小企業への時間単位の有給休暇導入も進んだ。

 一方で「出産する女性の人口は減り、少子化は続くだろう」とも。「条例を制定し、行政だけでなく企業や府民も巻き込んで、新しい施策を展開したい」と展望する。

 今年度中に文化庁が移転する。「名実ともに文化首都・京都になる。京都だけでなく全国に根付く地域文化にも目を向け、文化庁が京都に来て良かったと全国から思われる移転にすることが重要だ」と力を込めた。

 〔横顔〕京都市出身。1979年建設省(現国土交通省)に入り、国土交通審議官、復興庁事務次官を経て2018年4月に京都府知事に初当選。座右の銘は「雲外蒼天」で、趣味はマラソンなどスポーツ全般。多忙な中でも、ジョギングを日々心がける。

 〔府の自慢〕長い歴史に培われた文化の蓄積。保存されているだけでなく、生活に溶け込んでいることが強みで、「大学や研究機関や先端的な技術を持つ企業の集積も文化的な基盤の上に成り立っている」。

(了)

(2022年5月11日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事