2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】地域共生社会へ重層的支援を=松原忠義・東京都大田区長 2022/05/12 08:30

松原忠義・東京都大田区長

 日本の空の玄関口、羽田空港が立地する東京都大田区。少子高齢化が進む中、虐待や若年無業者など複雑化した社会問題に対応するため、2022年度から中長期視点に立った「みらい事業」を開始した。松原忠義区長(まつばら・ただよし=79)は「社会背景を踏まえ、40年を見据えて計画を立てていくことが大事だと思った」と意義を語る。その中で、地域共生社会の実現に向け、ライフステージに応じた必要な支援に加え、各所管課が重層的に支援する取り組みを始めた。

 地域共生社会とは、困難を抱える住民が区の支援と地域での関わりを持つ中で課題を解決していくことを指す。「社会的に自分だけでは解決できない状況があり、そこに温かい手を差し伸べていくことが大事だ」と強調する。ひとり親家庭への支援や高齢者の社会参加など、切れ目無く支援が行き渡る地域づくりを推進している。

 今後の重点テーマの一つに20~40代の「引きこもり」状態にある人への支援がある。自宅に出向き、信頼関係を築いた上で適切な支援機関につなぐ伴走型支援を行うため、5月に「ひきこもり支援室SAPOTA」を開設。「人生100年時代では、節目で迷う人がいるので、支えていくことが大事だ」と語る。

 一方、21年7月に実施した区政に関する世論調査では「区の施策で特に力を入れてほしいこと」として6割超が「防災対策」と答えた。東京湾に面し、1級河川・多摩川も流れており、「癒やしの場となっている水資源だが、災害時には脅威になる可能性もある」ため、防災意識の向上と人材の育成に重点を置く。

 今年度は避難時の行動を時系列で示す「マイ・タイムライン」について、従来の講習会形式に加えて、新たに出前講座を開設して作成を促す。また、庁内では管理職2年目の職員に対し、防災士養成機関で派遣研修を実施する。「いざという時には管理職が現場を仕切るので、この研修は続けていきたい」。

 〔横顔〕区議、都議を経て07年4月に区長に就任。座右の銘は「堅忍不抜」「雲外蒼天」。趣味はウオーキング、読書、旅行。

 〔区の自慢〕建築基準法上の12種類の用途地域の指定を受けている。「ものづくりの工場もあれば、田園調布のような住宅地もあって非常に幅広い」

(了)

(2022年5月12日iJAMP配信)

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