2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】「出雲力」で選ばれる町へ=飯塚俊之・島根県出雲市長 2022/05/12 08:30

飯塚俊之・島根県出雲市長

 島根県東部に位置し、出雲大社や荒神谷遺跡などの歴史文化遺産や、日本海や宍道湖といった豊かな自然に恵まれた出雲市。2021年4月に就任した飯塚俊之市長(いいつか・としゆき=56)は「魅力を発信していき、観光客が『行きたい』『住んでみたい』と思え、企業が『進出してみたい』となるような、選ばれる町にしていきたい」と抱負を語る。キーワードは「出雲力」だ。

 市は15年と20年の国勢調査で、県内8市で唯一、人口が増加した。県統計調査課などによると、19年の製造品出荷額も県内の45.1%、農業生産額も県内最大規模を占めている。また、医大や公立病院など医療拠点の充実や、豊かな自然環境などから、「ポテンシャルがあり、非常にバランスがいい。住みやすい町だ」と人口が増加した要因を分析する。

 市ではUIターン者の増加に向けた取り組みにも力を入れている。22年3月には、廃校となっている小学校の校舎の一部を整備したサテライトオフィスに、東京都と市内のIT企業が入居した。「『地方回帰』が見直されている時代でニーズがある」と手応えを感じており、「生活拠点の支援や新しい人たちを呼び込む取り組みにも努めたい」とさらなる環境整備に意欲を示す。

 22年度の予算編成では「元気な地方都市のトップランナー」を目指し、特に脱炭素社会の実現とデジタル化を重点項目として掲げる。

 21年夏には、官民連携による新しい電力会社「いずも縁結び電力株式会社」を設立。22年4月から、可燃ゴミ処理施設での稼働を開始し、市内の138公共施設に電力を供給している。「再生可能エネルギーの発電容量が県内の3割を占めているのは出雲市。エネルギーの地産地消をしていく」と力を込める。今後も、再生可能エネルギーの適地や採算性などの調査を行う考えで、「結果をオープンにして直接(発電に)取り組むか、民間の投資を呼び込んでいくかといったことにつなげたい」と展望を語る。

 デジタル化をめぐっては、民間から最高デジタル責任者(CDO)補佐官として、市出身でデジタルコンサルティング事業などを手掛ける※(魚ヘンに沸のツクリ)川宏樹氏を任命。子育てや介護など窓口業務のオンライン申請など市民サービスの充実や、庁内の業務効率化、デジタル、マーケティングといった産業観光分野で「(改革を)集中的に進めたい」と強調。「補佐官は全世界的に活躍している人。周りのネットワークを含めて、日本でも先駆けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の環境を整え、成果を出したい」と期待を込める。

 〔横顔〕子どもが5人。休日には子どもが所属するスポーツ少年団の練習や試合を見に行く。少しでも良くしていきたいという思いから「前へ」がキャッチフレーズ。

 〔市の自慢〕食も含めて観光資源が充実している。山や海、湖といった自然や、日本遺産「日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~」で知られる夕日が落ちる風景も自慢の一つ。

(了)

(2022年5月12日iJAMP配信)

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