2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】ボトムアップ型行政へ転換を=太田啓補・岡山県和気町長 2022/05/24 08:30

太田啓補・岡山県和気町長

 岡山県南東部に位置し、森林が約75%を占める和気町では、過疎化や住民の高齢化が深刻となっている。4月の町長選で初当選した太田啓補町長(おおた・けいすけ=63)は、前町政が打ち出したドローン(小型無人機)事業を見直し、町民や職員から広く意見を聞く「ボトムアップ型行政への転換」を目指す。

 国鉄(現JR西日本)職員を経て、2019年町議に。議員時代は3カ月に一回、議員レポートを4000部作り、オートバイで一軒ずつ配って回った。

 3年間の議員活動で議会や庁内に「閉塞的な雰囲気」を感じ、「町政を変えるには自身が舵取り役にならなければ」と出馬を決意。「いろいろな方から意見をもらって政策をつくっていくのが私の政治スタイル」と語り、職員や町民から直接声を聞く考えを打ち出す。

 具体的には職員に政策立案してもらい、優秀な企画にインセンティブを与える「政策コンペ」などを始める予定。意見しやすい職場にするため、普段から職員への言葉使いに気を配る。ホームページや広報誌を通じ、積極的に住民からパブリックコメントを募る方針だ。

 町が18年度から4年進めたドローン事業では、コストの高さを理由に、日用品配送事業を中止した。実証実験段階では年間1000万円以上かかる事業費の半分以上を国の補助金で賄っていたが、実用化となった場合、莫大なコストをどこが負担するか課題となっていた。ドローン1機で運べる物量もごくわずかで「メリットが少ない」と判断した。

 今後は、荒廃農地の発掘調査や有害鳥獣探知などでドローン事業を継続させ、高齢世帯への日用品や医薬品配送は、町が業者に委託して宅配や移動販売をする考えだ。

 企業誘致促進や町営「和気鵜飼谷温泉」の経営改革にも意欲を示す。21年5月に造成完了した「矢田工業団地」には企業2社が応募。6月以降に本格的に選定作業に入るが「早急に誘致したい」。新型コロナウイルス禍で億単位の赤字経営が続く和気鵜飼谷温泉は存続に向けた抜本的な改革のため、具体策づくりを担当課に指示した。

 22年度から町全域が過疎地域に選定されるなど人口減少も深刻だが、「過疎債をうまく活用し、当初予算の事業に肉付けしていきたい」と前を向く。

 選挙戦では自民、公明両党推薦の現職に僅差で勝った。「前町政を評価する声も一定程度あった」そうだが「そうした人たちにも納得してもらえるように町政運営をしていかなくては」と気を引き締める。その上で、「開かれた町政を目指したい。町長室の扉はいつでも開けているので気軽に訪ねてほしい」とにこやかに話した。

 〔横顔〕92歳の母と妻の3人暮らし。スポーツ全般が好きだが、野球は中学生から半世紀近く続けており、現在も町の還暦野球チームに所属している。

 〔町の自慢〕風光明媚で住みやすく、人が良い。JRの山陽本線や高速道路も2本走っていてアクセスが便利。

(了)

(2022年5月24日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事