2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】関空連絡道で「世界に近いまち」に=岸本健・和歌山県紀の川市長 2022/05/25 08:30

岸本健・和歌山県紀の川市長

 元県議の岸本健市長(きしもと・たけし=51)は、2月に前市長の死去に伴う市長選で初当選した。選挙で掲げた公約の一つが同市と関西国際空港を結ぶ「京奈和関空連絡道路」の早期実現だ。企業誘致や農産物の輸出に期待し、「世界に近いまちを目指す」と力を込める。

 京奈和関空連絡道路は、京奈和自動車道の紀の川インターチェンジ(IC)と阪和自動車道の上之郷ICを結ぶ約10キロの自動車道。国交省の試算によると、総工費は約500億円だ。実現すれば市と関空が車で約15分でつながる。「企業が誘致できれば、雇用が生まれて人口減少の流れを止められる。果物など農産物も輸出しやすくなる」と意義を強調する。

 実現に向け、同市を含む大阪府、奈良県、和歌山県の14市8町で「京奈和関空連絡道路建設促進期成同盟会」が結成されており、国に要望活動を行ってきた。「同盟会の会長として、東京への出張の際に要望に行くなど、地道な努力を続けていく」と話す。

 大学の農学部など高等教育機関の誘致も目指す。市の農業算出額は県内1位で、モモやハッサクなど果物の全国有数の産地だ。誘致により「まちの活力になる若い世代の確保」や「加工食品会社など農業関連企業の誘致」を狙う。「生産から販売、研究まで一貫してできる、農業が集約されたまちを目指す」と意気込む。国との連携のもと、「広大な土地、行政の協力、実践教育の場」などの強みを売り込んでいく考えだ。

 市の課題は人口減少だ。市の人口は2005年の合併以来、約1万人減った。「急激な減少を抑えていきたい。若い世代が定着できるような施策を進めていく」と話す。今年度の当初予算には、市立小中学校の給食費完全無償化や「県内トップレベル」の最大50万円の住宅取得奨励金制度を盛り込んだ。

 「農家の収入を上げれば定住してくれる」として、主要産業である農業の活性化策にも取り組む。今年度から、新規就農者などに農作物の栽培技術を教える「紀の川アグリカレッジ」を開講。市内生産者とクリエーターのマッチングにより、新たな加工商品の開発も支援している。さらに「市の農産物の知名度を上げるため、営業本部長としてトップセールスしていきたい」と、市場や海外にPRしていく考えだ。

 デジタル化にも取り組む。市のマイナンバーカード取得率は64%で全国の市区で6位(5月1日時点)。「これからも出張申請などを実施し、全国トップクラスの取得率を維持する」と意気込む。

 〔横顔〕趣味はウオーキング。紀の川沿い10キロを2時間で歩き切る。歩きながら仕事のアイデアが浮かぶことも多々。疲れたときはサウナでリフレッシュ。12分3本は欠かさない。

 〔市の自慢〕フルーツ。「年がら年中パイナップル以外は何でもできる」という。人気スポットは、猫の駅長「ニタマ」「よんたま」がいる和歌山電鉄貴志駅。

(了)

(2022年5月25日iJAMP配信)

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