2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】「世界のNAGANO」に誇り=荻原健司・長野市長 2022/05/26 08:30

荻原健司・長野市長

 4年に1度のスポーツの祭典「オリンピック」が開催された都市は日本に三つしかない。その一つが1998年長野冬季五輪の長野市だ。オリンピアンで金メダリストの荻原健司市長(おぎわら・けんじ=52)は、「このまちは『世界のNAGANO』。市民はその誇りを持っている」と語る。

 「一部競技とはいえ、『オリンピックがまた長野に来てくれる』という喜びを感じてくれる市民もいる」。長野五輪で使われたそり競技施設「長野市ボブスレー・リュージュパーク(スパイラル)」は、札幌市が2030年招致を目指す冬季五輪での利用が想定されている。

 金融危機のさなかに日本中が沸いた長野五輪から、はや24年。同五輪を直接知らない子どもも増えた。「若い世代に伝えるいい機会。札幌五輪が実現したら、『世界のNAGANO』の誇りをより市民に持ってもらえる運動を進めたい」と意気込む。

 ただ、製氷などに必要な億円単位の維持費や少ない競技人口を考えると、「一自治体で(スパイラルを)維持・管理していくのは限界がある」と指摘。「札幌市と協力しながら、国に財政負担をお願いできないか」と考えている。

 昨年11月の就任から半年。アスリート時代と同様、「バランス感覚」を大事にしてきた。「多くの声を受け止めながら、自分なりの考えをどうまとめていくか。そういう意味では難しさもある」と率直に語る。

 市長選公約のほぼ8割は、初の予算編成となった22年度予算に反映できたという。市民目線が持ち味で、例えば子どもの困りごとに関するワンストップ相談拠点「こども総合支援センター」の設置は、4人の子を育てる父親の経験から生まれた。「実感を持ってもらって初めて評価してもらうもの」として、支援強化の実行に力点を移す。

 まちづくりでは、「健幸(けんこう)増進都市・長野」を掲げた。人間の心身にとどまらず、健全財政など「市の健康」も重視。10年間で1000億円の節約を目指す公共施設長寿命化策を推進する。

 新型コロナウイルスの影響で1年延期されて4月に始まった善光寺御開帳は、参拝者が前回の6割程度にとどまる。御開帳を起爆剤に経済回復を期待する一方、中山間地の人口減少は待ったなし。自然を「素晴らしい観光資源」と捉え、都会から移り住みやすい地域づくりに力を入れる考えだ。

 〔横顔〕92年アルベールビル五輪、94年リレハンメル五輪で2大会連続のスキー・ノルディック複合団体金メダル。ウクライナやロシアのスキー選手とも交流があり、「善良な市民が悪者にされるのは非常に残念。一刻も早い平和を望む」。座右の銘は「本気は本物か」。くじけそうなとき、胸に刻む。妻と2男2女。

 〔市の自慢〕「ほどよい都市感」。生活は便利で、大自然が近い。東京には新幹線でアクセス可。移住希望者を「心からお待ち申し上げています」。

(了)

(2022年5月26日iJAMP配信)

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