2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】企業誘致に意欲=太田守彦・長野県筑北村長 2022/06/01 08:30

太田守彦・長野県筑北村長

 長野県のほぼ真ん中に位置する筑北村。長野市と松本市のちょうど中間にあり、2023年春には長野自動車道と村を結ぶスマートインターチェンジの供用が始まる。民間出身で、1期目の太田守彦村長(おおた・もりひこ=62)は、アクセスの良さを武器に「時間がかかるかもしれないが、企業誘致に継続して取り組みたい」と意欲を燃やす。

 富士重工業(現SUBARU)からIT企業に転職。村議を経て昨年11月に就任した。民間企業で培った経営感覚が強みだ。

 公約に掲げた企業誘致では、スマートIC周辺に造成した工業団地に、そば粉の製粉工場が進出を計画中だ。長野はそばの本場だが、熱い視線を送るのは最近ブームの米粉。「村のコメを使った米粉で何かできないか、(進出企業と)話をしている」。

 侵攻長期化で小麦の一大産地であるロシアとウクライナからの輸入が滞る恐れがある中、米粉を使ったパスタやうどんの商品化も検討されている。「うちは農業主体の村。需要が高まればコメの値段も良くなるのでは」と、雇用だけではなく、農業振興にも期待する。

 アクセスの良さを売りに「倉庫など物流業」の誘致にも力を入れており、複数の企業が関心を寄せているという。

 自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)にも意欲的だ。最近参加した研修で、「デジタル化を住民サービス向上につなげることがDXの本当の狙いだ」との話を聞き、感銘を受けた。

 岸田内閣が募集するデジタル田園都市構想のモデル自治体にも、名乗りを上げる考え。「村のような小さい自治体が限られた予算の中でどうDXを進めるか。そこにチャレンジしたい」。

 悩みは、村の実情に精通したIT人材が少ないこと。IT業界出身だけに「つてはある方」だが、今は日本全体でIT人材不足。近く人材募集を始める予定だ。

 長野県では初めてというeスポーツの専門学校が村内で23年春に開校する。入居する旧小学校校舎は太田氏の父が教育長を務めていた時代に建てられており、縁を感じる。転出超過が続いてきたが、「生徒が入ってくれば一気に転入の方が増えるのでは」と、口元を緩めた。

 〔横顔〕「地域おこしにはよそ者、若者、ばか者(金勘定ではなく情熱で動く人の意)が必要」と説いた故玉井袈裟男信州大名誉教授を師と仰ぐ。妻と義母の3人暮らし。趣味は温泉めぐり。

 〔村の自慢〕天日干しでおいしさが増す「はぜかけ米」。善光寺街道青柳宿にある、岩山を切り開いた「大切通し」は観光名所。「ちょっと不便で、自然豊か。人が温かい」といい、村に残る元地域おこし協力隊員もいる。

(了)

(2022年6月1日iJAMP配信)

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