2022/令和4年
108日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「世界に開かれた港」で稼ぐ力向上=下平晴行・鹿児島県志布志市長 2022/06/29 08:30

下平晴行・鹿児島県志布志市長

 太平洋に面し、有数の輸出入拠点として国土交通省が指定した「国際バルク戦略港湾」を抱える鹿児島県志布志市。背後に一大農畜産エリアが広がる。下平晴行市長(しもひら・すみゆき=73)は周辺インフラの拡充をにらみ、「地域間連携を強め、『背後』産業や進出企業のニーズに応えながら、世界に開かれた港の魅力を、稼ぐ力と活性化に結び付けたい」と意欲を示す。

 北九州を起点に九州東側を縦断して大分、宮崎を通り鹿児島に至る東九州自動車道の整備が進展した。また、穀物飼料輸入や原木輸出を柱とする志布志と、食糧供給拠点である宮崎・都城を結ぶ高規格「都城志布志道路」が全線開通すれば、所要時間は約40分と大幅に短縮される。下平氏は「人、モノ、カネ、情報がさらに多面的に行き交うようになる」と手応えを示す。港の機能強化と周辺インフラの整備から、志布志港の2021年の国際コンテナ取扱量(県速報値)は一般的な長さ20フィート(約6メートル)換算で、前年比6.7%増の11万686個と過去最多を更新した。

 09年に新設された国際物流ターミナルでは、既存岸壁(280メートル)を80メートル延伸する総事業費28億4000万円の国直轄工事が完了。今年1月に供用が始まり、全長140メートル級のコンテナ船2隻の同時接岸が可能となった。中国、台湾、韓国など4航路・週9便が運航する中、船舶の「沖待ち」解消を図ったのと同時に、荷役クレーンに頼らずトラックなどに積んだままで輸送効率を大幅に改善できるRORO(ローロー)船対応も強化した。豊富な海産物と合わせ一次産品や加工品輸出で主力となる小口混載貨物を取り扱う輸送事業者の誘致にも成功。今後、農林水産品輸出の拡大を目指す県の後押しを受け、官民一体で冷凍・冷蔵輸出システムの構築にも当たる。

 下平氏は「国際物流拠点として南九州の農畜産業の競争力を高めたい。県内、県境を超えた地域間連携など多様な結び付きが大きな経済効果を生むまちづくりに取り組む」と語った。

 〔横顔〕1972年に旧志布志町役場に入り、3町合併後の志布志市議を2期務めた。在野4年で稲作を営む傍ら行政書士・保護司として活動し、18年に市長初当選。3人の息子は独立し妻と暮らす。自宅の「特設ジム」で汗を流すのが息抜き。

 〔市の自慢〕霧島山系のシラス台地でろ過された豊富な地下水を使って養殖する「極上」うなぎが人気の「うなぎの駅」は、県外客も訪れる観光スポット。志布志湾が育むハモやちりめんのほか、お茶、イチゴなど特産品が豊富。

(了)

(2022年6月29日iJAMP配信)

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